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イベント業者、続く苦境 夏休みなのに花火大会・コンサート中止…

2021/7/29 21:40
広島イベント事業振興協会の総会で、今後の活動などについて話し合う会員(29日、広島市中区)

広島イベント事業振興協会の総会で、今後の活動などについて話し合う会員(29日、広島市中区)

 新型コロナウイルス禍による広島県内のイベント関連業者の苦境が続いている。書き入れ時の夏休みも、広島市内などでは花火大会やコンサートの中止が相次ぐ。全国的に「第5波」の様相が鮮明になる中、関係者は危機感を強めている。

 ▽「キャリア積んだ人離れ始めている」

 「花火大会や地域の祭りは今年も中止が多い。夏休みは本来忙しい時期なのに…」。市内のイベント会社の40代の代表男性は声を落とす。7月の売り上げは、壊滅的だった昨年よりやや回復したが、一昨年の同月比で半分以下という。再び感染が急拡大する状況に「8月のイベントは全てなくなるかもしれない」と懸念する。

 業界団体「広島イベント事業振興協会」によると、市内の関連業者は少なくとも200弱。今も従業員を休ませ、雇用調整助成金を得ることで廃業を逃れるのがやっとの会社もある。同協会の松本朋憲理事長(47)は「仕事の場がなくなり、キャリアを積んだ人が離れ始めている」と明かす。

 イベントは規模にもよるが、準備に3〜6カ月かかる。その間に中止となれば準備は水の泡に。緊急事態宣言で中止となったイベントについて、政府は会場のキャンセル料など主催者への補償制度は設けている。また、飲食店に支給される協力金のような支援も一部にあるが、手厚いとはいえない。

 新たな事業展開を模索する動きもある。企業の商品の販売促進イベントなどを手掛けてきたエッグプランニング(中区)は、子ども向けの工作キットのインターネット販売に活路を見いだす。上村珠美社長(52)は「新たなイベントの仕事を受けることは難しいため、新しい道を探りたい」と述べる。

 新型コロナ禍は再び急拡大し、先行きは一向に見通せない。そんな中、業界が注目しているのが東京五輪・パラリンピックの動向だ。松本理事長は「世界最大級のイベントが成功すれば、他のイベントも再開への道が開ける可能性がある」と期待を込める。(千葉教生) 

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