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平和記念式典のハト、今年は実施【コロナ禍の8・6】

2021/7/29 23:15
本番に向けてハトを飛ばして訓練する細川さん

本番に向けてハトを飛ばして訓練する細川さん

 広島市は8月6日の「原爆の日」に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典で、ハトを放つ「放鳩(ほうきゅう)」を再開する。新型コロナウイルスの影響で昨年は中止したが、今年は感染対策をした上で訓練を兼ねたレースができているという。ボランティアでハトを持ち寄る飼い主たちは2年ぶりの晴れ舞台に向けて訓練に励んでいる。

 放鳩は原爆慰霊碑の横にケージを置き、松井一実市長の平和宣言が終わると一斉に飛び立たせる。2019年は約500羽を放った。それぞれの帰巣本能で飼い主の鳩舎(きゅうしゃ)に帰るため、訓練が足らないと途中で迷ったり、タカから逃げ切れなかったりする。

 ▽昨年はレース開けず…

 昨年は新型コロナの影響で訓練を兼ねたレースが開けなかった。飼い主の高齢化も進んでおり、会場に集まるリスクも踏まえて中止した。今年は市が3月から関係団体にハトを出せるかを調査。一定にレースや訓練を再開できているとして、5月に広島県内の6団体に提供を依頼した。

 日本伝書鳩協会中国支部連盟会長の細川清さん(76)=同県熊野町=は本番に備えて鳩舎の周りで朝と夕にハトを飛ばす。「やっぱりハトが飛ばない式典は寂しい。再開はうれしい」とほほ笑む。

 日本鳩レース協会中国地区連盟長の井上良明さん(73)=南区=は40年ほど前から提供を続ける。山口、広島両県内の会員に呼び掛けて300羽以上を用意する予定だ。「先輩の姿を見て引き継いだ行事。再開に協力したい」と話す。

 市は400〜500羽が集まればと期待。5日午後6時から会場で受け入れ、「ハト番」と呼ばれる職員が、猫などに襲われないように翌朝まで交代で見張る。市民活動推進課は「平和の象徴のハトを多く放つことで印象深い式典になる。今後もできる限り続けたい」としている。(新山創)

 <クリック>平和記念式典の放鳩 1947年の「第1回平和祭」(現平和記念式典)で平和の象徴として10羽を放って始まった。中国新聞の報道によると、放鳩の数は年々増えてピーク時の2000年前後は1500羽だった。近年は500羽程度に減少している。マンションの増加で飼育場所が減り、ペットの多様化も進む中、ハトの飼い主は減少し、高齢化が進んでいる。 

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