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可部線の混雑率132%全国4位 悩むJR

2021/7/31 15:54
新しいマンションが増えた安佐南区祇園地区を走る単線の可部線

新しいマンションが増えた安佐南区祇園地区を走る単線の可部線

 新型コロナウイルス禍で全国的に鉄道の利用が減る中、広島市郊外を走るJR可部線はどういうわけか、朝ラッシュ時に乗客が増えている。国土交通省がこのほど発表した2020年度の路線別の鉄道混雑率では、全国で4位、西日本では1位となった。JR西日本の広島支社長も「頭を悩ませている」というほど。首都圏や関西をしのぐ混雑がなぜ、地方のローカル線で起きているのか。

 【グラフ】可部線が東京・大阪圏を超えた

 鉄道混雑率は、朝の最も混雑する時間帯の平均値で、JRや地下鉄など全国236路線・区間で20年9〜11月に調査。トップ3は日暮里・舎人ライナー(東京)の140%、新潟市内のJR信越線の135%、さいたま市内のJR武蔵野線の134%で、4位の可部線は132%だった。東京圏の平均混雑率の107%、大阪圏の103%を大きく上回る。

 可部線の132%は、1両に約170人が乗っている計算になる。線内最多の1日約9千人の乗降がある下祇園駅(広島市安佐南区)から、平日朝の列車に乗ってみた。電車は4両編成。改札口に近い車両はドア付近が立ち客で埋まったため、一つ前の車両に駆け込んだ。

 隣の人とのすき間は、かばん一つ分だけ。距離を保とうと、胸の前でリュックを抱える人が目立つ。それでも、電車が揺れると肩が触れ合う。超満員とまでは言えないが、コロナ禍でもあり、不快に感じる人も多いはずだ。

 JR西日本広島支社も、可部線には頭を悩ませているようだ。蔵原潮支社長は「私も週1回は見に行っている。朝のラッシュ時は最大限の本数を運転しているが、混雑していて申し訳ない」とわびる。

 なぜコロナ禍でも混雑するのか。ヒントとなるのが、国交省がまとめた20年度の地域別のテレワーク利用率だ。首都圏34%、関西圏23%に対し、広島県を含む地方都市圏は16%。ひろぎん経済研究所の21年2月の調査でも、広島県は15・6%だった。JR広島支社も「京阪神や東京に比べ、定期券利用の落ち込みが少ない」と明かす。新型コロナ感染状況の地域差の影響もあるだろう。

 もっとも、大都市圏と比べる以前に、可部線の朝ピーク時の混雑率は近年、右肩上がりで推移している。17年度110%、18、19年度が122%、20年度が132%。3年で2割も増えている。同じ広島都市圏のJR線でも、山陽線や呉線の混雑率がほぼ横ばいか微減、芸備線が低下したのと様相が異なる。何が背景にあるのか。

 ▽可部線の「泣き所」とは…
(ここまで 997文字/記事全文 2031文字)

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  • 人口が急増した安佐南区祇園地区を走る可部線の列車
  • ドア付近まで立ち客で埋まる朝ラッシュ時の可部線
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