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「戦艦大和の主砲削り出し」大型旋盤 移送費用のCF、3日に開始

2021/7/31 21:47
呉市が移送、設置費をCFで募る大型旋盤(大和ミュージアム提供)

呉市が移送、設置費をCFで募る大型旋盤(大和ミュージアム提供)

 呉市は、戦艦大和の主砲を削り出したとされる大型旋盤の輸送、設置費用をネットで募るクラウドファンディング(CF)を3日に始める。旋盤は兵庫県播磨町にあり、所有する業者が昨年夏に市へ寄贈を申し入れた。重さ200トンを超す巨大機械のため、海上輸送や設置に約4800万円かかると市は試算し、費用が集まらない場合は設置を断念するとした。

【特集】これが大和ミュージアム


 ■集まらなければ断念

 市は、保存活用を強く望むとして支援を呼び掛ける。CFはふるさと納税型で、目標額に達しなければ全額返金する方式。目標額を4800万円に設定し、CFサイトのレディーフォーで9月30日まで募る。

 到達すれば、旋盤は本年度中に大和ミュージアム(同市宝町)の駐車場西側に設置する予定。7200万円を超えれば地盤調査設計と工事費、1億円に届けば屋根の設置費が賄えるという。

 返礼品は、寄付額5千円から1千万円まで計10種類を用意した(呉市民へは物品を除く)。オリジナルデザインの万年筆セット、ナイトミュージアムツアー参加権、旋盤の銘板への名前刻印などがある。

 ただ、目標額に達しない場合は寄付ゼロとなり、市は旋盤の輸送に取りかからない方針。所有する業者とも相談済みで、現地で処分される可能性もあるという。市産業部は「財政的に難しい中で、やむを得ない対応。不成立の場合は関係者に申し訳ないが、そうならないよう全力でPRする」としている。

 大和ゆかりの貴重な資料の行く末をCFに頼る計画には疑問の声もある。大和に関する著作のある戦史研究家の原勝洋さん(79)=埼玉県=は「世界最大級の精巧な大砲こそが大和の特徴で、大型旋盤はそれを実感できる。もし設置できなければ大和ミュージアムの名折れという感覚で当たるべきだ」と話す。

 ミュージアムは2025年のリニューアルオープンを計画している。戸高一成館長は「リニューアルでは博物館機能の強化へ収蔵庫の新設などを予定しており、費用の配分に優先順位は必要になってくる」と語った。(杉原和磨、道面雅量)

 <クリック>大和ゆかりの大型旋盤 1938年、旧日本海軍がドイツから輸入し、呉海軍工廠(こうしょう)で使用。世界最大級だった口径46センチの大和の主砲を削り出したとされ、戦後は民間会社に払い下げられた。長さ約17メートル、幅約5メートル、重さ約210トンに及ぶ。


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