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広島県内の被災地、雨の合間に復旧作業 「また崩れてきたら…」募る不安

2021/8/16 22:56

今後の雨に備え、協力して土のうを積む住民たち=16日午前11時36分、広島市西区田方3丁目(撮影・高橋洋史)

 大雨による土砂崩れなどの被害が出た広島市や北広島町では16日、土砂の撤去や給水車の派遣など復旧に向けた作業が始まった。一方、17日以降も再び非常に激しい雨が降る恐れがある。「どれだけ降るのだろう」「また土砂崩れが起きたら…」。住民はさらなる災害の発生に不安を募らせ、警戒を強めた。

 ▽広島市安佐北区安佐町鈴張地区

 鈴張川の水が護岸を越え、道路冠水や家屋の浸水などが相次いだ同地区。次の大雨を懸念する住民は16日、水の通りを少しでも良くするため、川沿いの水路にたまったがれきや土砂を取り除いた。

 自宅前の路面が崩落した無職清水侃(つよし)さん(89)は「40年ほど住んでいるが、こんなにひどい雨は経験がない。今からどれだけ降るか全く予想できず不安。妻と2階で生活するなどの対策を取りたい」と心配そうな表情で話した。

 ▽広島市西区田方・己斐上地区

 田方3丁目の清水ケ丘団地は14日午後7時ごろ裏山が崩れ、団地内の道路約200メートルが土砂で覆われた。大木や岩が転がり、複数の民家に土砂が入った。地元町内会の西谷良浩会長(80)は「ゴーという音を立て、ものすごい勢いで土砂や木が流れてきた。危うく巻き込まれるところだった」と声を震わせた。

 住民は16日、自宅や周辺の土砂をかき出すなどの復旧作業に追われた。自宅前の道路が高さ50センチの土砂で埋まった会社員小桜博美さん(50)は「人の力ではらちがあかない。次の雨で土砂崩れが再び起きたら家はどうなるか…」。近くの住民と土のうを家の前に積み重ね、次の雨に備えていた。

 裏山が崩れた己斐上5丁目の広電己斐団地にはこの日、重機が入った。複数の車やプレハブを巻き込み、約50メートルにわたり道路をふさいだ土砂の撤去作業が始まった。自宅に土砂が押し寄せた井上茂さん(84)は「窓越しに頭の高さまで土砂や丸太が迫ってきた。怖くてもうここには住めない」と肩を落とした。

 災害が発生した15日午前1時ごろは、雨は小康状態。立花三千雄さん(72)は「長い時間降った雨が土中にたまった結果だろう」と話した。

 ▽北広島町本地地区

 明神ハイツでは、山から流れ出た雨水で道路が削られ家屋にも被害が出た。水道管が損傷し断水も続く。復旧が見通せない16日、給水車の出動も始まった。

 降り続く大雨で、団地南側の用水路に土砂や流木が詰まるなどして道路に水があふれだした。路面は削られ、水道管もむき出しに。一部の家屋も土台の一部が流されて傾いた。

 団地に続く道路も崩れ、住民自ら道路の穴を埋める作業をした。会社員福重一紀さん(59)は「重機がないと本格復旧もできない。行政も動いてほしい」と訴える。

 天候がいったん回復した15日以降も、山から水が流れ出ている。山根修三さん(78)は嘆いた。「今の状態でまた大雨になれば、被害は拡大するだろう」

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  • 山から流れ出た雨水や土砂で崩壊した道路を見つめる明神ハイツの住民(16日午前11時11分、広島県北広島町本地)

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