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コロナ禍の大雨、避難と感染防止の両立手探り 広島、体育館に150人超える住民【動画】

2021/8/17 23:00
「3密」を避けるため各世帯が持ち寄ったテントを張る山本小体育館の避難所(17日、広島市安佐南区)

「3密」を避けるため各世帯が持ち寄ったテントを張る山本小体育館の避難所(17日、広島市安佐南区)

 長引く記録的な大雨の中、命を守る避難と、避難所での新型コロナウイルス感染防止の両立という課題に地域が直面している。広島県内では17日、最大150人超の住民が身を寄せた避難所もあった。国は昨年、感染防止に向けた指針を定めたが、災害が大規模になり避難者が押し寄せた場合、「3密」が避けられない懸念は残る。

【図解】新型コロナ禍の避難所でのポイント

 14日に土砂災害が起きた広島市安佐南区の山本地区。避難所となった山本小体育館には最大58世帯、151人(17日午後5時時点)が身を寄せた。市側は、世帯ごとにテントで間仕切りするなどし、家族以外の避難者と接触する機会を極力減らすよう呼び掛けた。

 避難者からは感染を心配する声が相次いだ。1歳から小学3年生までのきょうだい5人を連れた主婦村中恵さん(27)は「小さな子はマスクをするのが難しいし、私もワクチン接種がまだ。やはり感染が不安です」。自宅から急きょ、簡易型テント2張りを持ち込んだ。

 国は昨年6月、新型コロナ禍での災害発生に備え、感染対策に配慮した避難所運営のガイドラインを作成。これを踏まえ、被災地の各自治体は、受付時の検温やアルコール消毒の徹底、避難者が十分に距離を保てる区画づくりなどに力を入れている。

 北広島町は町独自に簡易型テントや間仕切りを準備し、避難者に貸し出している。17日、最大14世帯、22人が訪れた千代田運動公園総合体育館では、家族ごとに青色の間仕切りが並んだ。同町危機管理課は「体調不良の方には、個別に別室を確保できるようにも配慮している」と説明する。

 一方、地域の避難所に集まる住民の人数は、天候次第で変動する。大きな被害が発生するような災害時には、一度に大勢が詰め掛ける可能性が高まる。

 「雨の状況が刻々と変われば、避難所には『密』な部分が出てくる。コロナ対策を取りながらの運営には限界がある」。広島市安佐北区で避難者対応に携わる自主防災会長の梅野照幸さん(68)は打ち明ける。一方で「感染への不安はあると思うが、いざというときには必ず逃げてほしい」と訴える。避難と感染防止の両立へ、現場では手探りの状態が続いている。(和多正憲、与倉康広、重田広志)

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