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避難や注意喚起に工夫 広島市内、大雨1週間

2021/8/19 21:45
砂防ダムを越え、広島市安佐南区相田の住宅地そばまで押し寄せた土砂や流木。差し迫る危機には迅速な判断が求められる(撮影・藤井康正)

砂防ダムを越え、広島市安佐南区相田の住宅地そばまで押し寄せた土砂や流木。差し迫る危機には迅速な判断が求められる(撮影・藤井康正)

 記録的大雨で広島市内に大雨特別警報が出てから20日で1週間がたつ。西日本豪雨を超える雨量となり土砂崩れも相次いだが、人的被害は比較的抑えられている。住民は危険性をどう判断し、動いたのか。被災地を巡ると、市民の多様な避難行動や行政の注意喚起の工夫が見えてきた。

 ■ホテル・垂直避難

 西区田方3丁目の会社員中村雅裕さん(52)は、雨が強まった14日午後、中区のホテルに避難した。「降雨量に対して側溝の水量が少なく、違和感を覚えた」。荷物を積める車で移動できる点も好都合だった。

 団地の裏山が崩れ、自宅に土砂が押し寄せたのは同日夜。自宅の壁は穴が開き、道路は土砂で埋まった。「避難してよかった」と振り返る。一方、ホテル代がかさむため翌日、避難所に移ったという。

 安佐南区緑井8丁目の主婦藤村ミヨ子さん(78)は、雨が降り始めて非常食やヘルメットなどを用意し、自宅2階に垂直避難した。

 その後、自宅近くの砂防ダムはほぼ満杯に。同区内に住む娘に相談したところ避難するよう促されて自宅を出ようと決意した。体調がすぐれず避難を拒んだ夫は孫が説得し、17日から夫婦で娘の元に身を寄せた。「家族の言葉に背中を押された」と藤村さんは語る。

 このほか、知人や親戚宅など避難所以外の場所に身を寄せた人も目立った。

 ■戸別訪問

 行政の「避難させる」工夫も見えた。安佐南区災害対策本部は16、17の両日、住民を戸別訪問して避難を促した。ため池や砂防ダムから土砂が流出する恐れがあった山本9丁目、緑井8丁目などで、区や市消防局の職員たちが「今すぐ避難!」などと記したチラシを住民に手渡し。相田、大町地区では地域の自主防災組織に依頼して呼び掛けた。

 区災害対策本部によると、戸別訪問は災害時に想定していなかったが、危険が差し迫っていると判断。「避難につながる呼び掛けが必要」と、従来の広報車の巡回と併せて実施した。

 緑井8丁目の中井容子さん(82)は地元消防団員の訪問に応じ「広島土砂災害を思い出して怖くなった」と早めに避難した。インターネット上では「自らの判断で動かないといけないと自戒するきっかけになった」など戸別訪問に感謝する書き込みもみられた。


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  • 砂防ダムを乗り越えた土砂や流木=19日午前9時45分、広島市安佐南区相田(撮影・藤井康正)
  • 被害状況を調査する職員=19日午前10時36分、広島市安佐南区相田(撮影・藤井康正)

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