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廃線危機の芸備線にカープ列車を 庄原市民有志、協賛金募る

2021/8/24 22:29
「走らす会」が協賛を呼び掛けるために作ったラッピング車両のイメージ写真

「走らす会」が協賛を呼び掛けるために作ったラッピング車両のイメージ写真

 利用が低迷し、将来の運行の在り方に注目が集まるJR芸備線にラッピング車両を走らせる計画を、庄原市民有志が進めている。庄原と縁が深い広島東洋カープの赤を基調としたデザインを1台に施し、観光の目玉にする。実現に必要な300万円の確保へ、企業や団体から協賛金を募る。「たる募金」も行い、市民に広く協力を呼び掛ける。

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 庄原ロータリークラブ(RC)会員や会社経営者たち約10人が「芸備線にカープ号を走らす会」を7月下旬に結成。地元の備北交通が庄原と広島市を結ぶ高速路線で運行する、車体を赤く塗った「カープバス」から着想した。

 JR西日本が6月、庄原―新見市の区間の需要や利用促進策を共に話し合うよう、沿線の2県2市に申し入れたのがきっかけ。同RCを中心に「地域交通の存続のために何かしたい」との声が高まっていた。

 走らす会会長に就いた川北町の医師児玉節さん(71)は「通学を中心とした日常の利用を増やすのは限界がある。観光面に注目し、美しい県北の四季を背景に赤い車両を走らせる。全国の鉄道ファンの心が震える情景になるはず」と狙いを説明する。

 児玉さんは今月初め、JR西関係者と面会。JR西は、早ければ12月から芸備線三次―備後落合間、三次―広島間をはじめ、福塩線三次―府中間など広島支社管内での運行が可能との見通しを示したという。実現にはラッピング費用をJR西に支払う必要がある。同会は、独自の観光イベントや記念切符などの予算と合わせ300万円を目標額に設定。11月末まで募る。

 球団からはデザイン使用の内諾を得た。商工会議所や市などで構成し、球団と長年の絆がある市カープ応援隊が仲介した。

 同会は今後、市内の企業や団体を回って協賛を募る。既に10団体以上が協力の意向を示している。創設期の球団を広島市民が支えた逸話になぞらえ、「たる募金」の酒だるも用意した。9月1日から庄原市内の商業施設ジョイフルに置く。

 児玉さんは「少額の募金でもいいので多くの方に携わってほしい。機運を市全体に広げたい」と話す。走らす会事務局長の住田則雄さんTel090(2296)9599。(小島正和)


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  • ラッピング車両の実現に向けて話し合う「走らす会」のメンバー。手前は募金用の酒だる

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