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女性用便器不足、法抵触の恐れも 広島市役所「増設を目指す」

2021/8/27 22:59
広島市役所本庁舎の女性用トイレ。男性用と比べて便器の数が少ない

広島市役所本庁舎の女性用トイレ。男性用と比べて便器の数が少ない

 広島市の女性職員の増加に伴って、市役所本庁舎にあるトイレのうち女性用の便器の数が、労働安全衛生法が求める水準を下回る恐れが出ている。本庁舎が建った1985年当時の職員の男女比に沿っており、女性用の設置数が男性用と比べて少ないためだ。既に昼食の時間帯を中心に空きを待つ列ができている上、女性職員は今後も増える見通しのため、市は早期の対応を迫られている。

 市によると、地上17階、地下2階建ての本庁舎にはトイレが男女それぞれ19カ所ある。市長室がある10階が各2カ所で、それ以外は最上階を除き各1カ所との割り振りだ。女性用は全て個室で、1カ所につき2〜3器ずつ計38器の便器がある。男性用は1カ所につき大便器が1〜3器ずつの計49器、小便器が2〜5器ずつの計81器となっている。

 労働安全衛生法に基づく「事務所衛生基準規則」は労働者の人数に応じて男女のトイレの必要数を定めている。女性用は20人以内ごとに便器を1器以上用意するよう規定。男性用は、小便器が30人以内ごとに1器以上、大便器が60人以内ごとに1器以上としている。

 市役所本庁舎では今年4月1日現在、652人の女性職員が働いている。規則に当てはめれば、現在の38器で対応できるのは760人まで。それを上回れば、法定数を満たせなくなる。男性職員は1428人。規則で最低限必要な大便器は24器、小便器は48器で、現在はその約2倍を確保できているという。

 本庁舎が完成した85年、区役所職員や市立高教諭たちを含む市職員は1万2290人で、女性は33・4%の4100人だった。これが2021年には全職員1万5063人に対し、女性は46・5%の7001人に増加。市は今年3月にまとめた「市職員の女性活躍・子育て支援推進プラン」で女性職員の採用拡大を掲げており、本庁舎勤務の女性はさらに増える見込みだ。

 便器の数に男女差がある実態を踏まえて、本庁舎の課長や産業医、労働組合の代表者たち11人でつくる「市本庁衛生委員会」は4月の定例会議で、改善の必要性を話し合った。

 便器が法定数を満たさない事態となった場合、市人事委員会が調査し、市に改善を命じることができる。市は、今後の本庁舎の設備更新に合わせて女性用トイレの拡充を探る方針。市総務課は「女性用便器の不足は喫緊の課題だ。スペースや予算などを踏まえて増設を目指す」としている。(小林可奈)

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