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妊婦のワクチン優先接種広がる 広島県・4市町、重症化リスク配慮

2021/9/4 22:54

 広島県内で、妊婦たちが新型コロナウイルスワクチンの接種を受けやすくする動きが広がっている。妊婦は感染すると重症化のリスクが高く、県と4市町は、集団接種などで妊婦や同居家族が優先的に接種できる仕組みを整えた。今後の流行を抑えるため、若い世代の接種率向上に取り組む自治体も増えている。

 妊婦と同居の家族の優先接種は、三原市がいち早く打ち出した。興生総合病院で実施する初回の9日には20人以上の予約があるという。赤ちゃんを守るため、産婦と家族も市内の5医療機関で優先接種を受けられるようにする。担当者は「母子ともに守りたい」と強調する。

 福山市や安芸高田市も、集団接種などで妊婦と同居家族が優先的に接種できるようにした。海田町は集団会場に産婦人科の医師が詰める日も設ける。県も9、10月、広島、福山、三次、東広島の4市の大規模接種会場で計1500人分の優先枠を設ける。

 妊婦へのワクチン接種を巡っては、医学界の対応が変わった経緯がある。当初、日本産科婦人科学会などは、妊娠12週までの接種を避けるよう提言。しかし現在は、妊娠後期に感染すると重症化しやすいとして時期を問わず接種することを勧める。感染ルートになることの多いパートナーの接種も促す。各市町が、希望者の接種を積極的に後押しし始めた背景には、千葉県で新型コロナに感染した妊婦の入院先が見つからず、赤ちゃんが死亡する問題が起きたこともある。

 優先枠の設定以外の方法を模索する自治体もある。広島市は産婦人科に積極対応を依頼。ワクチン供給量が限られる中「産婦人科には必要量をできる限り融通したい」とする。庄原市は、妊婦が希望したとき、担当課が直接、医療機関と調整する。キャンセルが出た場合に妊婦に優先的に振り分ける自治体もある。

 若い世代の接種率を上げるための優先枠の導入も増えている。呉市は29歳以下の優先枠千人分を設け、8月の3日間で埋まった。廿日市市は9月中旬以降の大規模接種会場での接種人数を拡大し、計約1200人の増加分を15〜39歳が優先的に予約できる期間をつくる。県は、大規模接種会場の12〜39歳の枠を土日曜を中心に計1万3225人分設けた。

 県内では8月30日時点で2回目の接種を終えた30代以下は20%に満たず、ほかの世代より低い。受けやすい環境づくりの工夫も続く。尾道市は、小児科医に集団接種会場に待機してもらい親子で接種できる日をつくった。海田町は集団会場で保育士が託児をする日を設ける。広島市は、交通の便のいい場所での夕方や夜間接種の拡充を検討している。(衣川圭、田中美千子) 

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