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ワクチン2回接種済み「油断しないで」 広島の医療従事者がブレークスルー感染、一時危険な状態に

2021/9/6 23:08

広島市内の自宅でスマートフォンに残る入院中のやりとりを振り返る医療従事者の男性(奥)と妻=画像の一部を修整しています(撮影・高橋洋史)

 広島市内の医療従事者の男性(58)が8月、新型コロナウイルスワクチンを2回接種しながら、2週間以上してから感染する「ブレークスルー感染」を経験していた。ワクチンの有効性は高く、ブレークスルー感染の大半は症状が軽いとされる。が、男性は医師に「危険な状態」と告げられるほど肺炎が悪化した。つらかった体験を踏まえ、接種済みでも油断しないよう訴えている。

 専門家「ワクチン有効、重症化まれ」 ブレークスルー感染じわり

 感染が分かったのは、流行の第5波が勢いを増してきた8月4日だった。男性は米ファイザー社製ワクチンを接種。6月半ばに2回目を終えていた。「正直、ここまで重くなるとは思わなかった」と振り返る。

 5日に療養ホテルに入った時は熱があるだけだった。が、数日でせきこむようになり、味覚障害も出てきた。熱も引かない。連休が明けるのを待ち、10日にやっと病院を受診できた時には、腕に紫がかった血管が浮き出ていた。「まずいな、と感じた」。意識ももうろうとしていたという。

 男性の妻はこの日、病院から「即入院」との電話を受けた。「酸素状態がさらに悪くなれば人工心肺装置ECMO(エクモ)がある病院へ送るが、空きがない場合もある。覚悟しておいて」。そう告げられ、血の気が引いたという。「元気で帰るものと信じていた。泣いてしまいました」

 男性は幸い、酸素投与や点滴で持ち直し、25日に退院。せきは残るが、他に目立つ後遺症はないという。

 男性は今回、家庭内感染したとみられる。妻と20代の息子2人と同居。7月30日、先に長男の感染が分かった。「ワクチンを打ったから大丈夫、とは思っていなかった」。長男が異変を訴え、療養ホテルに入るまでの数日間は特に、感染予防策を徹底したという。

 自室にこもった長男とは接触を断ち、携帯電話でやりとりした。2階のトイレは長男専用に。家族全員がマスクを着用し、家中を念入りに消毒した。それでも感染した今、男性は「ウイルスは変異を重ねている。ワクチン接種後も十分に対策を」と強調する。

 長男も肺炎が悪化し、ホテルから病院に移ったが、男性より一足先に退院。11日にやはり陽性となった次男もホテル療養を終え、今は家族が自宅にそろった。男性の妻も「どんなに丈夫な人でも、感染したら絶対に家へ帰れるとの保証はない。ワクチン接種を含め、誰もがかからない努力をしてほしい」と力を込めた。(田中美千子) 

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