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丁寧な説明求める声 島根原発2号機、正式合格

2021/9/15 21:00
県庁前で再稼働反対を訴える原発ゼロをめざす島根の会のメンバーたち(松江市)

県庁前で再稼働反対を訴える原発ゼロをめざす島根の会のメンバーたち(松江市)

 中国電力島根原発2号機(松江市)が再稼働に向けた国の審査に「正式合格」した15日、市内では反対派の市民団体が、街頭で再稼働の是非を問う住民投票の必要性などを訴えた。一方、地域振興を望む地元住民や経済界からは歓迎の声が上がった。「地元同意」の判断に向けては一様に、安全対策や避難計画の丁寧な説明を求めた。

 この日正午すぎ、同市の島根県庁前では原発ゼロをめざす島根の会のメンバーたち約40人が集結。「原発ゼロ。新しいエネルギーで暮らそう」と記したボードを掲げ「100パーセントの安全はなく危険だ」と訴えた。山崎泰子共同代表(59)=同市=は「今夏の大雨で避難に使う道路は通行止めが相次いだ。実効性のない避難計画に不安しかない」と憤る。

 夕方にはJR松江駅前でも街頭活動があった。島根原発・エネルギー問題県民連絡会の保母武彦事務局長(79)=同市=は「原発に頼ったエネルギー政策でいいのか、市民一人一人が考え直さないといけない」と住民投票の申請を検討する考えをあらためて示した。

 原発30キロ圏の周辺自治体である米子市の「島根原発稼働の是非を問う住民投票を実現する会・米子」は、今秋の衆院選直後、住民投票条例の提案に向けた署名活動を始める計画。河合康明共同代表は「今後生まれてくる子どもたちに対しても責任があり、熟議が必要。市長は市民の意見を広く反映してほしい」と求めた。

 一方、原発が立地する鹿島町に住む鹿島自治連合会の亀城幸平会長(71)は「ようやく大きなハードルを越えた」と感慨を込める。人口減少や新型コロナウイルス禍で地域に広がる停滞感からの脱却を期待する。東京電力福島第1原発の事故後、2012年の稼働停止から約10年を要した審査合格。「次は地元住民のハートに訴える段階になる。原発との共存を理解してもらえるよう、丁寧な説明を求めたい」と語った。

 松江商工会議所の田部長右衛門会頭(42)は「電力費高騰を抑えることは安定的な市民生活や企業経営につながる」とし「手続きが迅速に進められ、早期に再稼働されることを期待している」とコメントした。(高橋良輔、小畑浩)

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