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新たな「顔」選びで風向き好転 支持通じ地盤固めに【衆院選と総裁選】<上>与党

2021/9/15 22:13

交差点で手を振る衆院選の立候補予定者=画像の一部を修整しています(広島市西区)

 菅義偉首相の後任を選ぶ自民党総裁選が17日に告示される。衆院議員の任期満了(10月21日)まで1カ月余りとなる中、衆院選に向けた準備を中国地方の小選挙区で進める与野党の立候補予定者は総裁選をどう見つめ、自らの選挙戦につなげようとしているのか。動きを追った。

 広島2区の自民党現職(73)はこれまで、パンフレットやポスターで菅首相の写真を表に出すのを避けてきた。菅首相は、2019年7月の参院選広島選挙区に自民党新人として立ち、公選法違反罪の有罪で当選無効となった河井案里元参院議員を応援していた。「菅首相は大規模買収事件をイメージさせる。支援拡大には逆効果だ」と語る。

 それだけに新総裁への期待は大きい。早々に、自身の所属派閥とは別の派閥を率いる岸田文雄前政調会長(党県連会長)を支持すると表明。通常国会が閉じた6月中旬以降、ほぼ地元に張り付き、支援者回りや電話作戦を続けている。総裁選での党員・党友票の掘り起こしが、自身の地盤固めにつながるとみている。

 ▽永田町で奔走も

 東京・永田町で岸田氏支援に奔走する動きもある。広島7区の自民党現職(38)は地元に戻る予定はない。地元の陣営関係者は「政策論争を通じて党への関心が集まる。党が変わった、と受け止めてもらえれば、投票率も高まる」と総裁選との相乗効果を見据える。

 すでに「雰囲気が変わった」と総裁選効果を実感するのが、広島3区に立つ公明党比例代表中国ブロック現職(69)だ。買収事件で議員辞職した元自民党衆院議員の河井克行被告(公選法違反罪で控訴中)の地盤。総裁選が熱を帯びるにつれて、選挙区内の有権者から与党への期待の言葉を聞く場面が増えたと感じる。

 配布物や掲示物には自身と菅首相の写真を並べて「与党代表」を前面に打ち出してきたが、のぼり旗の顔写真はすでに山口那津男代表に変えた。選挙区内に多数張ったポスターは新総裁の選出を待ち、作り直すかどうか検討するという。

 陣営が期待するのは「岸田首相」だ。党県本部の関係者は「広島から首相が誕生すれば、政治に嫌気が差していた有権者も関心を取り戻す」と見立てる。

 総裁選を巡っては一時、菅首相が今月中旬に衆院を解散して総裁選を先送りするとの観測が、自民党内で浮上した。菅首相は最終的に総裁選への立候補を断念し、予定通り17日告示、29日投開票の日程での実施が決まった経緯がある。

 島根2区の自民党新人(40)は、党現職が引退を決断したのを受けて8月30日に立候補を表明したばかり。陣営幹部は「名前と顔を売る時間ができて好都合だ。新総裁になれば支持率も今より上がるだろう」と前向きに受け止める。

 ▽権力闘争と直結

 新たな「選挙の顔」選びに大なり小なり期待を寄せる与党の立候補予定者たちにあって、山口3区は様相を異にする。自民党現職(78)が、党参院議員から転身を図る新人(60)に戦いを挑まれる党分裂選挙となる見通しだからだ。

 現職は、二階俊博幹事長が率いる二階派の会長代行を務める。当初は菅首相の再選を支持していたが、菅首相が二階氏の交代を含む党役員人事を仕掛けたのを機に「菅首相が生まれたのは誰のおかげだったのか」と態度を一変させた。岸田氏の支援にも否定的だ。

 新人は、岸田氏が会長を務める岸田派ナンバー2の座長を務める。岸田氏は党役員の任期を1期1年、連続3期までとする党改革案を唱え、菅首相による二階氏の交代論につながった。衆院選の公認争いも絡み、両者の振る舞いは永田町の権力闘争と直結している。


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