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尾道、海遊びで熱視線 ウェイクボード/サップ/カヤック…自転車に続く誘客期待

2021/9/18 21:39
尾道市因島重井町沖でウェイクボードを楽しむ柿原さん(右)たち

尾道市因島重井町沖でウェイクボードを楽しむ柿原さん(右)たち

 瀬戸内しまなみ海道沿いの尾道市で、穏やかな海を生かしたマリンスポーツ・レジャーに注目が集まっている。島々が連なり、風や高い波を避けられる絶好の環境。近年、事業者の参入が相次ぎ、今年はウェイクボードのツアー大会が初めて開かれた。新型コロナウイルス禍によるアウトドア人気もあり、サイクリングに続けと期待がかかる。

 巨大クレーンが立ち並ぶ海岸と無人島に挟まれた因島重井町沖で、ウェイクボードが水上を走る。2月に始めたばかりという福山市山手町の会社員柿原彩華さん(28)は「しまなみ海道にこんな良い場所があるなんて」と笑みをこぼす。それまで島しょ部は観光名所を訪ねた程度だったが、知人の付き添いで見学して自らもはまった。多い時は週4日通うという。

 ■全4戦のツアー大会開催

 仕掛けたのは2019年に近くの因島マリーナ内にオープンしたマリンスポーツショップ「PLAY Onomichi」。経営する内海康次郎さん(37)によると、新型コロナの影響もあり、備後地方の親子連れや社会人が目立つという。昨年10月には大会を初開催し、今年は尾道市内の同業者と協力して全4戦のツアー大会を10月まで開く。内海さんは「初心者の定着も進み、裾野が広がっている」と手応えを口にする。

 観光関係者も熱視線を送る。生口島にことし4月オープンした飲食店や観光案内所の複合施設ソイル瀬戸田(瀬戸田町)は、沿岸部でインストラクターが付き添うスタンドアップパドルボード(SUP=サップ)体験を提供する。施設側は「海から島の景色をゆっくり楽しんでほしい」。日帰り観光が中心の現状にあって、宿泊や滞在中の体験の充実を図る。

 因島三庄町では東京からIターンした会社員丸山邦夫さん(52)がカヤック体験の事業化へ準備を進める。サイクリングで世界的に注目されるしまなみ海道で挑戦しようとことし2月、移住した。「釣った魚をさばいて食べるなどすれば、幅広い年齢層が海を一日中満喫できる」と構想を練る。

 ■希望の活動、カヤック14%

 追い風もある。しまなみ海道沿線の観光振興を担う官民組織しまなみジャパン(尾道市)が昨冬、全国のサイクリストにしまなみ海道でしたい活動をウェブで尋ねると、カヤックが14%、サップは7%の支持があった。19年に市内を訪れたサイクリング客数は、市の推計で21万6950人。数年前からの全国的な海遊びブームもあり、観光コンテンツとしての成長が見込める。合田省一郎専務理事は「マリンスポーツは2、3時間で収まるためサイクリング旅行にも組み込みやすい」と歓迎する。

 沿線の島々では昔から海遊びが盛んで、小型の船などを所有する家庭も多かったという。しかし近年は水難事故のリスクや娯楽の多様化などで、地元の若者にとっても海は遠い存在となっている。向島町でウェイクボードショップ「SEA CREW」を開いて13年の吉原照正さん(41)は「道具も船もない人が増えたからこそ、人気が再び高まる余地がある」とみる。(神田真臣、石下奈海) 



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