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日鉄呉、全高炉を休止 稼働60年、「鉄の灯」消える【動画】

2021/9/29 23:47

休止した日鉄瀬戸内製鉄所呉地区の第1高炉(29日午前9時34分、呉市、撮影・高橋洋史)

 日本製鉄(日鉄、東京)は29日、瀬戸内製鉄所呉地区(呉市)の中核設備である高炉を止めた。中国地方初となる1962年の火入れから約60年。地元の重厚長大型産業を象徴する「鉄の灯」が消えた。日鉄は同地区を2023年9月末をめどに閉鎖する方針で、高炉の再稼働はしないとみられる。

 同地区は、戦艦大和などを建造した呉海軍工廠(こうしょう)の跡地で、51年に前身の製鉄所の操業が始まった。敷地は約143ヘクタール。高炉2基を備え、第2高炉(容積2080立方メートル)は昨年2月から休止している。この日、第1高炉(同2650立方メートル)への送風を午前3時20分に止めた。2年後をめどとする閉鎖まで、他の製鉄所から搬入したスラブ(鋼片)を加工する圧延などの工程は残る。

 現在の従業員は協力、関連会社を含めて約3千人。高炉休止で半数相当の業務がなくなる。日鉄は配置転換で社員の雇用を守るとし、協力会社などには社内の別の製鉄所とのマッチングを進める。しかし、地元に残りたいと希望する従業員も多く、新型コロナウイルス禍で企業の採用意欲が鈍る中、再就職先の確保は重い課題となる。

 全国で生産体制の見直しを進める日鉄は、コスト競争力が低いことなどを理由に呉地区の閉鎖を決めた。日鉄の21年3月期連結決算の純損益は324億円の赤字だったが、今期は3700億円の黒字と過去最高益を見込む。(東谷和平)

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