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コロナ貸付金で投資疑い 東広島の医療法人、4億円流用か

2021/10/7 23:05

 東広島市に拠点を置く医療法人好縁(こうえん)会が、厚生労働省所管の独立行政法人「福祉医療機構」(東京)から借りた新型コロナウイルス対策の運転資金6億3千万円の一部を、目的外である投資に流用した疑いがあることが7日、同会や関係者への取材で分かった。同機構の貸付制度は感染拡大で経営が悪化した医療機関などを支えるのが目的で、人件費や設備費として貸し出していた。不適切な投資の総額は少なくとも約4億円に上る可能性がある。

 複数の関係者によると、同会は2020年6〜7月、運営する東広島、広島市などの老人福祉施設や診療所など11施設の長期運転資金や経営資金として、同機構から計6億3千万円を借り入れた。同年9〜10月、うち少なくとも約4億円を債券購入に充てた。運用益が発生していたという。

 同会は、中国新聞の取材に事実関係をおおむね認めた上で「借り入れ後に経営状況が安定し、しばらく運転資金は必要ないと判断した。状況が悪化した際に現金化し、運転資金として使う予定だった」と説明。当初から運用に回す考えはなかったとする。

 同機構の貸付制度は、一定額まで無利子・無担保とするなど、コロナ禍で事業継続が困難な医療福祉施設を支援する取り組み。申請手続きは通常の審査より簡素化し、速やかに融資できる設計としている。貸付制度を巡っては、コロナ対策の一環として政府が運営費の交付などをしている。

 同機構は、資金の使途について「給与支払いや新型コロナに対応する機器の購入などを想定している。投資が事実なら速やかに返還を求める」としている。

 同会は1996年に設立。広島、沖縄の両県で診療所や老人ホームなど計35施設をグループで運営している。(根石大輔) 

 <クリック>新型コロナウイルスの影響を受けた事業者に対する福祉医療機構の貸付制度 利用者や収入が前年より減少したことなどを条件に、経営資金や長期運転資金として施設ごとに貸し出す。上限額は、病院10億円▽介護老人保健施設1億円▽指定訪問介護事業4千万円―など。一定額まで無担保とし、最初の5年間を無利子とする。2020年2月に開始し、今年4月末までに約1兆7千億円を貸し出している。


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