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岸田首相「成長と分配」両立 所信表明で新しい資本主義提唱

2021/10/8 22:53

衆院本会議で就任後初めての所信表明演説をする岸田首相=8日午後2時12分(撮影・浜岡学)

 岸田文雄首相(広島1区)は8日、就任後初めての所信表明演説を衆院本会議で行った。新型コロナウイルス対策に最優先で取り組む姿勢を示し、格差是正に向けて中間層を守る「新しい資本主義」を提唱。被爆地広島選出の初の首相として「核兵器のない世界」を目指す決意を示した。一方、「政治とカネ」問題など安倍、菅両政権の「負の遺産」への対応には言及しなかった。衆参両院で各党代表質問を11〜13日に行う。衆院解散が14日に迫る中、与野党の攻防は激しさを増しそうだ。

 ▽「核兵器ない世界」へ決意

 首相は難しい政治課題に挑むに当たり「国民の声を真摯(しんし)に受け止め、かたちにする、信頼と共感を得られる政治が必要だ」と力説。内閣と市民との車座対話を始め、国民のニーズをくみ取る姿勢を明確にした。

 最優先課題と位置付けたコロナ対策は丁寧な説明に努め、常に最悪の事態を想定して当たるとした。3回目のワクチン接種の準備▽電子的な接種証明▽経口治療薬の年内実用化▽無料検査の拡大―を挙げ、関係閣僚に「安心確保の取り組みの全体像」を示すよう命じたと明かした。同時に司令塔機能の強化や、人流抑制と医療資源確保のための法改正で危機管理を抜本的に見直す方針を表明した。

 経済政策を巡っては、新自由主義が格差拡大を招いた面に触れ、新しい資本主義を「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」で実現させると強調。「成長か分配かという不毛な議論からの脱却」を主張した。「デジタル田園都市国家構想」の下で、地方からリモート技術を活用した働き方、農業や観光産業でのデジタル技術活用を進めるとした。

 外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画(中期防)は「改定に取り組む」と述べた。日米同盟の抑止力を維持しつつ米軍基地が集中する沖縄県の負担軽減に取り組む決意も示した。

 強靱(きょうじん)なサプライチェーンを構築するため経済安保の法案を策定すると強調。中国を念頭に、多国間連携で「自由で開かれたインド太平洋」をつくるとした。

 核兵器のない世界に向けては、核保有国と非保有国の橋渡しに努め「唯一の戦争被爆国としての責務を果たす」と訴えた。今年1月に発効した核兵器禁止条約には触れなかった。

 改憲については国会の憲法審査会で「与野党の枠を超えて建設的な議論を行い、国民的議論を深めることを期待する」と述べた。(下久保聖司)


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