地域ニュース

真心に笑顔添えて 午前3時開店の弁当店 尾道市吉和地区

2021/10/16 20:59
弁当を買いに来た客(手前)と世間話をする砂田さん夫妻

弁当を買いに来た客(手前)と世間話をする砂田さん夫妻

 午前3時、正徳町の国道2号沿いの店に明かりが見える。弁当と仕出しの店「寿司(すし)スナダ」だ。巻きずし、コロッケ、サバ、シャケ…10種類以上の弁当が並んでいる。「いらっしゃい。おはよう」。砂田初(はじめ)さん(72)と楓(かえで)さん(72)夫妻が笑顔でお客を迎える。

【関連記事】魅力度ランキング、中国地方で上位の街は?

 暗がりの中を来店するのは、出港前の漁師や仕事中のトラック運転手たち。釣り人や通学中の高校生も買い求める。用意した20食ほどが午前6時前に売り切れる日もあるという。

 漁に出る夫と息子の弁当を買った近くの笹井直子さん(70)は「おいしく栄養もあってここのが一番。潮の干満で出港の時間は日によって違うけど、早くから開いとって助かる」と喜ぶ。

 創業は約50年前。配達と仕出しを続けてきた。楓さんが調理し、初さんが東尾道や三原の市場などに車で約50食を運ぶ。夜明け前から店の前を通る人々を見て5年ほど前、弁当の店頭販売を始めた。「おいしかったと言ってまた来てくれるのがうれしい」と楓さん。毎日でも飽きないよう種類は豊富にし、作業しながらでも食べやすいよう具だくさんのおにぎりなども工夫して作っている。

 20代の頃神戸のアパレル店で働いていた初さん。兵庫県加古川市出身の楓さんと結婚し、父の店を手伝うため帰郷。3人の子を育てながら切り盛りしてきた。「朝の空気は気持ちいいし、店のおかげでたくさんの人とつながっとる。あと10年は続けたいね」。きょうも温かい弁当を並べ客を迎える。(石下奈海)

【関連記事】

ボードウオーク、尾道観光拠点に 市役所南側に完成、全長260メートル

室町時代の面影へ改修着々 尾道の常称寺で現場見学会

連載アーカイブ「尾道百景」


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧