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避難勧告大幅遅れ 広島市長「非常に残念」

2014/8/21 8:18

記者会見で用意した紙に目を落としながら話す松井市長

 広島市で20日未明に起きた局地的な豪雨で、市の避難勧告が大幅に遅れた。土砂災害で多くの犠牲者が出た安佐南区の八木地区や安佐北区の可部東地区への勧告は、目安となる土砂災害警戒情報の発表から約3時間後。「避難基準雨量」を超えてからも1時間15分たっていた。15年前の「6・29豪雨」を教訓に設けた「市民の命綱」は機能しなかった。松井一実市長は「非常に残念だ」と述べ、勧告や指示を出す判断方法を見直す考えを示した。

 市消防局によると、6・29豪雨を受け2000年、市地域防災計画に初めて避難勧告の判断のための五つの目安を設定した。さらに広島地方気象台などの降雨予想も踏まえ、市長や区長、消防局長たちが勧告を出す仕組みになっている。

 目安の一つとなる気象台などの土砂災害警戒情報は20日午前1時15分に発表。安佐南区の緑井や八木、安佐北区の可部東では午前3時で避難基準雨量も上回った。しかし、市が最初に避難勧告を出したのは午前4時15分で、可部東などの4地区。その後、八木や緑井などにも勧告や指示を相次いで出し、対象は午後7時までに計21地区の6万6951世帯15万9100人に上った。

 市消防局危機管理部の金山健三部長(55)は「(勧告が)遅かったことは間違いない。分析を誤った」と判断ミスを認めた。19日午後11時33分に洪水警報が解除された点などを挙げ、「雨脚が弱まったのかなという淡い期待があった。(雨雲が)いつまでたっても同じところにとどまり、全く経験したことがない急激な降雨だった」と弁解した。

 市は登録者対象の防災情報メールを20日午前1時32分と2時41分に送信。2時50分には防災行政無線で土砂災害の注意を促していた。しかし、3時20分ごろから「土砂崩れ」の通報が消防局へ入り始め、結果として大惨事に至った。松井市長は市役所で記者会見し、「災害発生後に避難勧告を出すことになってしまった。消防局長がいろんな情報を判断してくれたが、最終的な責任は私にある」と認めた。(川手寿志)


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