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島根原発2号機再稼働なら年平均4億4000万円増収 島根県試算

2021/12/14 19:48

 島根県は14日、中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町)が再稼働すれば、電源立地地域への国の交付金や核燃料税として、年平均で4億4千万円の増収があるとの試算を県議会総務委員会で明らかにした。運転再開時の一時金5億円の交付も見込まれ、厳しい県財政にとって貴重な財源となる。

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 県は、電力会社からの税収を財源に国から地域振興や原子力防災に向けた交付金を受けている。1976年以降、総額は約521億円。原子炉の運転状況などで年度ごとに増減があり、2020年度は約19億5千万円を得て原発事故時の避難対策のほか、福祉・乳幼児医療費の助成、旧鹿島町の家庭や工場への電気料金補助、県芸術文化センター・グラントワ(益田市)の運営費にも充てている。

 一方、核燃料税は、県が1980年から独自に中電に課税。原子炉の出力に応じた「出力割」と、投入した核燃料の価格に応じた「価額割」でそれぞれ8・5%分を課す仕組みで、2020年度は約7億5千万円、累計で206億円を徴収した。原発立地に伴う安全対策、道路や漁港の整備改修のほか、松江市と原発30キロ圏の周辺自治体3市に防災安全対策交付金として一定割合で拠出している。

 県の試算では、2号機の再稼働に伴い、交付金のプラスは年間4千万円。加えて、地域の基盤整備を名目とする5億円の一時的な交付金がある。核燃料税の増収は、原子炉の停止でストップしていた価額割分の再開により年平均で4億円の増収が見込まれるという。

 県はこのほか、原発施設立地地域振興特別措置法の期限が30年度まで10年間延長され、原発周辺地域の道路整備などで国の負担率が大きい「原発債」を引き続き発行できると説明。20年度までに県と松江市の計49事業(総事業費約1464億円)で活用し、15〜19年度だけで約26億円の県負担の軽減につながっていることも報告した。

 県の向こう5年間の財政見通しでは、年16億〜23億円の財源不足が見込まれている。地域政策課は「2号機再稼働の可否を議論するに当たり、県財政への影響も示すべきだとの声があった。交付金などの使い道には制限もあり、自由に使える収入が増えるわけではないが、参考情報としてまとめた」と説明している。

 ▽周辺3市の交付金増へ 22年度から核燃料税の県分を割り振り

 県は14日、中国電力島根原発の核燃料税を財源とする県原子力防災安全等対策交付金について、30キロ圏の周辺自治体である出雲、安来、雲南市の配分が増えるよう、8千万〜4千万円の基本額を設ける方針を県議会総務委員会で示した。2022年度から適用する。

 同交付金は、各市での原子力防災や地域振興、住民福祉に充ててもらうため15年度に創設。松江市12%、出雲市4%、安来、雲南両市2%の割合で配分している。20年度の核燃料税は約7億5千万円で、松江市には9千万円、出雲市に3千万円、安来、雲南両市に1500万円を交付した。

 県は再稼働を巡り9月に設けた知事と3市長の会議で、3市側から原子力災害時の避難対策に用いる費用に対する財政支援の拡充の要望を受け、交付金の上乗せを検討。現行の配分率を原則とした上で、最低保証額として出雲市8千万円、安来、雲南両市4千万円の基本額を設ける。20年度実績より計1億円の増額となり、核燃料税の税率は変えずに県分から割り振る。

 県地域政策課は「松江市に比べて国からの財源措置の少ない周辺自治体が原子力防災に継続して取り組めるようにする」と説明した。(松本大典)


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