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避難所に現病院活用 広島共立病院1日移転

2014/8/31 9:53

現病院(奥)の避難所としての活用に向けて、スタッフと話し合う村田院長(手前中)

 広島土砂災害の被災地に近い広島共立病院(広島市安佐南区中須2丁目)は、9月1日からの新病院オープンで、使わなくなる現病院の病室などを避難所にする準備を進めている。数百人規模の受け入れが可能で、広島市も歓迎。患者の中に犠牲者もおり、避難者もストレスを抱える中、「命に寄り添う病院として再出発したい」と誓う。

 被災した安佐南区緑井・八木地区に最も近い総合病院。新病院は現在の病院の市道を挟んだ向かい側に完成している。

 災害が起きた20日未明は、1階が高さ約60センチまで浸水し、早朝の救急患者を診察できなかった。職員は全員無事で、新病院も被害を受けずに済んだ。

 村田裕彦院長(56)たちが「顔なじみの看護師たちが近くにいることで安心してもらえるはず」と、現病院(199床)の活用を市に提案。市は「被災場所に近く、ベッドも使えるので避難者の身体的な負担を軽減できる。避難所になっている小学校の授業再開にもつながる」として、災害救助法に基づく避難所として認められるよう、国に要望した。

 病院スタッフが避難所を回ると「生き残ってつらい」と漏らす被災者も。ストレスからか軽い心筋梗塞を発症した患者もいた。村田院長は「避難生活が長引くと肺炎やエコノミークラス症候群、腰痛などの慢性疾患が増える。かかりつけ医とも連携し、できる限りの支援をしたい」と話す。

 フロアごとに同じ地域の被災者が入居できるような配慮も提案したいと村田院長。「孤立しがちな避難生活の不安を和らげることができれば」と話している。(馬場洋太、田中美千子)


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