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雨水管被害、水あふれる 広島土砂災害、損壊や泥詰まり

2014/9/5 9:18

雨水がたまったアパート敷地内で雨水管内の様子を調べる作業員=4日午前9時35分、広島市安佐南区緑井8丁目(撮影・山崎亮)

 広島市の土砂災害で、雨水を排水するために安佐南区や安佐北区の道路下に張り巡らされている雨水管の被害が少なくとも28カ所に上ることが4日、分かった。土石流で流されたり、内部に泥が詰まったりしている。市下水道局は被災状況の全容をまだつかめておらず、復旧のめどは立っていない。強い雨が降ると路上などに雨水があふれて二次災害につながりかねず、調査や仮復旧を急いでいる。

 市下水道局によると、4日時点で、安佐南、安佐北両区を中心にした被災地域に、延長計約61キロの下水管が埋設されている。雨水管が29キロ、生活排水を流す汚水管が32キロという。

 このうち雨水管は24キロで調査を完了。28カ所で損壊や内部に泥が詰まるなどの被害が判明した。復旧作業を終えたのは18カ所にとどまる。

 市はさらに被害状況の調査を続けているが、宅地や路上の土砂が撤去されないと、マンホールから埋設された管の中に入れないため思うように進まない状態。天気が崩れると、雨水があふれて土砂の撤去作業などが遅れ、調査できないという悪循環も起きている。安佐南区八木3丁目など被害が甚大なエリアはまだ調査が手つかずで、被害箇所はさらに増える見通しだ。

 汚水管は23キロで調査を終えた。被害を確認した9カ所のうち7カ所で復旧した。

 被災者が避難指示・勧告の解除を受けて自宅に帰っても、下水管の復旧のめどが立たないと、生活の再建に影響が出る。松井一実市長は「水道は復旧したのに、下水がうまく流れないなどの場合があれば至急対応をするので(各区役所などに)連絡してほしい」と呼び掛けている。

 一方、広島市内は3日夜から4日朝にかけて断続的に強い雨が降り、被災者たちは避難所へ戻るなどして不安な一夜を過ごした。行方不明になっている2人の捜索は3日夕から一時中断。4日午後から再開し、警察、消防、自衛隊計約2400人態勢で八木3丁目を中心に調べた。

 市災害対策本部によると、2人はいずれも八木3丁目の大屋弘子さん(67)と西田末男さん(63)。これまでに72人の死亡が確認された。

 4日午後9時の時点で広島市は梅林、八木両地区の計981世帯2516人を対象に避難勧告を継続。勧告の解除地区も含む計10カ所の避難所に414世帯857人が身を寄せている。


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