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10月上旬までに土砂撤去 広島市などが復旧工程、水道など修繕も

2014/9/6 0:26

 広島市の土砂災害で、市や広島県などは5日、安佐南、安佐北両区の被災地の復旧に向けた工程表を発表した。大半の地域で、10月上旬までに宅地や道路に残る土砂をほぼ撤去、ライフラインを修繕し、避難勧告も順次解除する方針。ただ、甚大な被害に遭った安佐南区八木や緑井の一部地域では、行方不明者の捜索が続いているなどとして、被災者が日常生活を取り戻せる時期を示さなかった。

 工程表では、被災者が生活再建を始める目標を8月20日の災害発生後「1カ月〜1カ月半」とした。全地域で宅地内の土砂やがれきを撤去。避難勧告が続いて作業が遅れている地域でも、道路の土砂を取り除き、上下水道の復旧を急ぐ。二次災害の発生に備え、山際に設置した「ワイヤセンサー」に加え、水路を確保するための大型土のうも置く。

 市は、これらの「応急復旧」で、住民の避難経路などの安全を確保し次第、避難勧告を解除する。ただ、広島県などの砂防ダムが完成する2015年度末までは、大雨警報で避難勧告を出すなど警戒態勢を強めたままにするという。

 壊れた道路の本格復旧は2014年度末までかかる。また県は安佐南区八木、緑井両地区を再調査した上で、14年度末までに「土砂災害警戒区域」に指定する方針でいる。

 一方、多くの死者が出た安佐南区八木、緑井の一部地域は、行方不明者の捜索や急斜面の土砂の撤去が難航しており、復旧作業を終えるめどがついていない。市は、特に八木3丁目の県営住宅周辺については、新たなまちづくりを見据えた「復興計画」も検討する。

 工程表は、国、県、市がつくる応急復旧連絡会議が作成。避難生活を送る住民に復旧の進み具合を伝え、生活再開の目安にしてもらおうと公表した。今後、各避難所など被災地で住民向けの説明会を開く。

 この日、松井一実市長と湯崎英彦知事、政府の現地対策本部長を務める西村康稔内閣府副大臣が会見。松井市長は「被災者が一刻も早く生活を再開できるよう対策を進める」と述べた。(和多正憲)


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  • 復旧計画を説明する松井市長(左)、湯崎知事(中)、西村副大臣

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