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避難者8人に血栓 86人診察、狭い生活空間影響

2014/9/10 10:00

 広島市の土砂災害で、医療支援チームが避難所で生活する被災者成人86人を診察したところ、お年寄り8人(9・3%)の足に、静脈血栓塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)につながりかねない血の塊「血栓」が見つかったことが分かった。医療チームは「個人の生活空間の狭さが影響している」とみて、ベッドの配置を進めることなどを提案している。

 広島大病院や新潟大の医師たちでつくる約30人のチームが6、7の両日、安佐南区と安佐北区内の避難所計9カ所を巡回。検診を希望した24〜81歳の男女計86人のふくらはぎを超音波で調べた。うち、いずれも65歳以上の8人の静脈に血栓があった。

 血栓があったお年寄りの避難所別の内訳は、安佐南区の梅林小と共立病院が各3人、佐東公民館が2人。安佐北区の可部小など他の6カ所はゼロだった。新潟大病院の榛沢(はんざわ)和彦医師(心臓血管外科)は、共立病院の3人は梅林小から移ったばかりのため、同小の環境に問題があるとみている。

 榛沢医師は「通常、血栓の保有率は4%前後なので、倍以上。個人の生活空間を確保するためにベッドを導入したり、快適な空調を確保したりして、避難所の暮らしの質の向上を」と求めている。

 血栓は長時間、同じ姿勢で座っているとできやすく、エコノミークラス症候群を発症する恐れがある。血栓が肺に詰まると、命を落とすこともある。県健康福祉局は「作業療法士たちを巡回させており、予防法の周知やケアを強化していきたい」としている。(金刺大五)


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