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ボランティア延べ3万9000人 広島市の受け入れ1カ月

2014/9/25 10:32

広島市安佐南区の区災害ボランティアセンターに集まり、スタッフ(手前)から説明を受けるボランティア=23日午前8時35分(撮影・荒木肇)

 ▽当初は混乱 要望多様化、対応が課題

 広島市の土砂災害で、市社会福祉協議会の市災害ボランティア本部が、ボランティアの受け入れを始めて1カ月がたった。これまでに延べ約3万9千人を受け入れた。当初は予想を超えるボランティアが集まり、受け入れ事務が混乱した。今後は、多様化する要望への細かい対応が求められている。

 市社協は安佐南、安佐北両区のボランティアセンターと両センターを統括する災害ボランティア本部を設置。8月23日から広島県内在住者の受け入れを始めた。9月4日からは条件付きで県外から団体を募り、23日までに延べ3万9281人を受け入れた。被災者からは感謝の声があった。

 しかし、大勢が集まった安佐南区のセンターでは当初午前9時の受け付けから、現場の移動に数時間かかったケースも。予定数を超え、受け付けできない人も続出した。これまで3回参加した佐伯区の会社員名原彩さん(35)は「作業時間より待ち時間の方が長かったことがあり、歯がゆさを感じた。効率的な運営ができなかったのか」と話す。

 同本部によると、ボランティアの作業は土砂とがれきの撤去。多いときで約3千人を受け入れていた。作業が落ち着いた現在は600〜千人で推移。同本部の坂本泉本部長は「当初は運営が混乱し迷惑を掛けた。災害から1カ月がたち、疲労から知らない人と話すのがつらい住民もいて、ニーズは減っている」と言う。

 住民が独自で受け入れ拠点をつくり、復旧を支えた地域もあった。八木4丁目の八木ケ丘団地や、同3丁目の阿武の里団地などは町内会などが中心にボランティア本部を設け、住民の要望に応じて派遣した。市社協のセンターで参加できなかったボランティアの受け皿になったとみられる。

 阪神大震災を契機に結成された兵庫県西宮市のNPO法人「日本災害救援ボランティアネットワーク」(NVNAD)の寺本弘伸常務理事(52)は「災害から時間がたつと、家具の移動など要望が細かくなりボランティアに頼みにくくなる。被災者とボランティアとをつなぐ調整役がこれまで以上に重要となる」と強調。少人数のグループで個別に住民の要望を聞き取るなど支援の変化の必要性を指摘している。(永里真弓、新山京子)


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