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安佐北区に市の説明まだ 安佐南区と差、住民募る不満

2014/9/25 23:59

土砂が流れ込んだまま手付かずとなっている畑の前で、行政による説明会を求める坊会長(広島市安佐北区大林町)

 広島市の土砂災害で安佐北区の被災者が、安佐南区と行政の対応に差があるとして、不満を募らせている。国や広島県、市が開く住民との意見交換会は、被害が大きく、今も避難勧告が続く安佐南区の一部地域が対象。復旧の要望や、避難対策も取り上げる場だが、安佐北区での開催は未定だ。市は急きょ検討を始めたが、後手に回った感は拭えない。

 「学区単位の細かい説明を市に求めたのに、いまだに開かれない」。安佐北区の大林地区連合自治会の坊聡彦会長(67)は憤りを隠さない。道路などのインフラ修繕や被災者への支援策、二次災害の恐れ…。地元では多くの不安や悩みが噴出しているという。「同じ被災地なのに」。26日に地区独自の要望書を藤本誠区長へ提出する構えだ。

 安佐南区で23日に始まった自治会単位の意見交換会には、国土交通省太田川河川事務所や県砂防課、市の道路や消防の担当者が出席。砂防ダムの建設予定や公的支援策を説明し、住民から個別の要望や相談にも応じている。

 一方、同じく砂防ダムの建設計画がある安佐北区での説明会については県砂防課は「市が日程を決めるので分からない」。市道路計画課は「現時点では、被害の大きかった避難勧告地域に限って意見交換会を開く予定」とし、勧告地域のない同区を当初、対象外にしていた。

 国、県、市が5日公表した応急復旧の工程に関しても、安佐南区は緑井、八木の9カ所の進行状況を表す図面を16日から週2回ペースで更新し、避難所へ張り出したりホームページに掲載したりしている。しかし安佐北区は「ほぼ復旧が終わった」としてこうした対応を取っていない。

 家屋被害の件数は安佐南区の方が多いが、道路や河川、田畑の被害は安佐北区の方が多い。安佐北区の災害対策本部を担う区地域起こし推進課は「住民からの要望は聞いている。詳細は決まっていないが、安佐北区でも何らかの形で説明会を設けたい」としている。(和多正憲、中川雅晴)


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