地方経済

飲食店、ためらう再開 戻らぬ人通り/「安全確保自信ない」

2020/5/20
営業再開が見通せない店内を清掃する河田社長(左)たち

営業再開が見通せない店内を清掃する河田社長(左)たち

 新型コロナウイルス対策の休業要請が緩和された広島県で、営業の再開をためらう飲食店が依然多い。県は近く外出自粛などの要請をさらに緩める方針だが、根強い自粛ムードに店側は来客の回復を見通せず、感染リスクへの恐れも消えていない。経営の危機から抜け出すには、まだ時間がかかりそうだ。

 「収束するまで資金が持つかどうか」。広島市中区流川町で「中華そば きたぎ」を運営する会社の河田仁紀社長は嘆く。3月に客が急激に減り、感染防止のため4月6日から休業している。収入は途絶え、家賃など毎月の固定費約50万円のために貯金を切り崩している。

 県は今月15日、飲食店に求めていた営業時間の短縮を解除。休業していた店の再開が相次いだ。午後10時までとする酒類提供の時間制限を解くのも目前だ。

 ただ「きたぎ」がある中四国最大の歓楽街、流川・薬研堀地区には人通りが戻っていない。入り口に休業の張り紙を付けて閉めたままの飲食店が目立つ。紙に書いた「5月6日まで」を消して、新たに休業の期限を示せない店もある。河田社長は「再開しても客が来なければ赤字になる。先行きが見えない」と焦りを募らせる。

 「まだ流行の第2波の恐れがあり、客やスタッフの安全確保に自信が持てない」と話すのは、店内営業を停止している「太閤うどん中町店」(中区中町)の丹井輝之店主だ。4月から持ち帰りと宅配営業に特化した。営業の全面正常化は早くて7月からと見込む。

 「『3密』を避けるには客席を減らさざるを得ない。店内営業だけでは採算が合わないので、持ち帰りも続けたい」と生き残りをかけた模索を続けている。(森岡恭子) 


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