地方経済

【コロナ危機 苦境を越える】逆風を逆手にユニーク商品

2020/6/8 23:04
氷のジョッキや、かき氷などのセット商品を説明する己斐製氷の池田常務

氷のジョッキや、かき氷などのセット商品を説明する己斐製氷の池田常務

 ▽老舗料亭、店の味を真空パックに/製氷業者、キンキン氷ジョッキ

 新型コロナウイルスの逆風を突き、ユニークなビジネスに乗り出す中小事業者が中国地方で相次いでいる。老舗料亭は真空パックの食品の通販に挑み、製氷会社は氷のジョッキなどをアピール。料理を宅配するバイクの荷台を開発する企業もある。家で過ごす時間が増えた消費者のニーズを読み、商機を探っている。

 【ダイジェスト】新型コロナウイルス感染拡大 危機の中の中国地方


 老舗料亭の五月荘(呉市)は真空パックの釜飯のもとを作った。北海道産の昆布と厳選したかつお節のだしを使い、タイやアナゴ、カキなど5種類。焼き魚などの総菜や、お茶漬けのもともそろう。国内最大級のクラウドファンディングサービス「マクアケ」のサイトで3日に先行発売した。7月中旬からネット通販の楽天市場やアマゾンで売る。

 創業119年での新たな挑戦。池田佳幸店主は「やりたかった食品の製造販売を仕掛けるチャンスと思った」と振り返る。会食や観光客の昼食の注文が減り、3月の売り上げは前年の約3割。巣ごもり需要を見込み、料亭の味を家庭で簡単に楽しめる商品を作ろうと考えた。保健所から総菜製造業などの許可を受け、機器を購入。4月の休業中も研究を重ねた。

 池田店主は「五月荘の名を全国の人たちに知っていただき、歴史を重ねてきた店を守りたい」と語る。

 家族で過ごす時間を楽しんでもらおうと、新商品「氷だんらんセット」を売り込むのは己斐製氷(広島市西区)。氷のジョッキやかき氷の袋、冷凍パインなど4人分の詰め合わせで価格は4千円。キャンプやバーベキューを念頭に本社で売り、オンラインでも注文を受け付けている。

 納品先の飲食店の休業やイベントの中止が相次ぎ、4、5月の氷の売り上げは前年の約3割。池田誠常務は「新型コロナ前の経済に戻るのに4、5年かかるかもしれない。話題性のある商品で一般の消費者への販売も伸ばす」と将来を見据える。

 本業で磨いたものづくりの技術で異分野に進出する企業もある。自動車のシートカバーを作るユアブランド(防府市)は、飲食店の宅配を後押しするため料理を運ぶバイクの荷台を開発する。料理を入れた箱が傾かないように工夫し、水をはじく丈夫な生地で覆う。シートカバーを縫う技術を生かし、来年2月までの完成を目指す。

 山口県内の飲食店の持ち帰りや宅配の情報を載せたサイト「お家(うち)レストラン山口」の開設にも関わった。石田正記社長は「地元の食を多くの人が味わえるようにして、飲食店を応援したい」と話している。(境信重) 

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  • 五月荘が作った真空パックの商品。釜飯や茶漬けのもと、焼き魚などがそろう

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