地方経済

広島にコーヒー農場 ニシナ屋珈琲が21年春栽培開始

2020/7/7
コーヒーの木を栽培する大芝島

コーヒーの木を栽培する大芝島

 ▽東広島・三原、品種改良の耐寒苗使用

 コーヒー豆販売のニシナ屋珈琲(コーヒー)=広島市東区=は、国内では極めて珍しいコーヒーの木の栽培を2021年春に広島県で始める。日本での生育条件を満たす地域は沖縄県や鹿児島県などに限られ、国内で流通する豆はほぼ輸入品。広島の環境にも順応するよう改良された苗を使い、国産コーヒーの商品化に挑む。

 農場は東広島市安芸津町の大芝島と三原市深町の2カ所で、計約5千平方メートル。ビニールハウスを整備し、21年春に苗計約千本を植える。22年秋からの収穫を予定し、焙煎(ばいせん)豆や飲料にして直営店や自社の通販サイトなどで売る。中国やインドネシアへの輸出も計画する。投資額は約5千万円。

 新谷隆一社長は「国産コーヒーの希少性に加え、豆の選別や焙煎、ブレンドなど長年培ってきた技術を生かして他にない商品を作りたい」と意気込む。

 コーヒーの木は本来、赤道を挟む北緯、南緯それぞれ25度に囲まれた「コーヒーベルト」地帯の高地で育つ。国内では近年、ベルトの境界に近い鹿児島県の奄美群島や沖縄県で、産地化の動きがある。

 条件を満たさない広島での栽培を可能にしたのは品種改良した苗だ。種をマイナス60度まで冷やして解凍させる「凍結解凍覚醒法」で耐寒性を高め、成長速度も上げている。中国地方では岡山県産の「もんげーバナナ」が、同法によりバナナ栽培を実用化した。ニシナ屋珈琲は苗販売のアグリジャパン(福山市)から仕入れる。

 以前から瀬戸内をコーヒーで活性化させる夢を抱いていた新谷社長。昨年秋にもんげーバナナとその技術を知り、コーヒーに応用できると考えた。「ハワイのコーヒーが島ごとに味が違うように、広島ならではのコーヒーができるのが楽しみだ」と期待している。(新本恭子)


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日の経済ニュースの記事
一覧