マツダ100年 車づくりと地域

【マツダ100年】培った技術、学術界に 中国地方の大学・高専に教授11人

特集・関連記事2020/7/13 22:57
「机上の理論でなく、ものづくりの本質を伝えたい」。昨年製作したレーシングカーを前に語る貴島教授

「机上の理論でなく、ものづくりの本質を伝えたい」。昨年製作したレーシングカーを前に語る貴島教授

 マツダは100年の歴史の中で、多彩な人材を地域に送り出してきた。培った技術や経験を学術の世界で生かす人も多い。理工系や経営の学部がある中国地方の43大学・高専に取材すると、元社員の現役教授が少なくとも11人に上ることが分かった。次代の人材育成の面でも、マツダは存在感を発揮している。

 「教室の中だけで優秀な学生は育たない」。山口東京理科大(山陽小野田市)で自動車工学を教える貴島孝雄教授(71)は言い切る。マツダを退職し着任した2010年以降、自作のレーシングカーの出来を競う全国大会に挑む学生を支える。部品一つ一つに至る詳細な設計や材料の切断と溶接、組み立て…。約20人の奮闘を見守り、助言する。

 マツダでは小型オープンスポーツカー、ロードスターの開発責任者を務め、ものづくりのあらゆる工程に知見がある。「わずかなミスで車は走らなくなる。失敗から学んでほしい」。マツダに就職する教え子も出てきた。大学での経験が5年後、10年後に社会で生きると信じている。

 ロータリーエンジンに関わった技術者の教員もいる。広島工業大(広島市佐伯区)の中根久典教授(57)はマツダが優勝した1991年のルマン24時間耐久レースに参加。エンジンの効率化を追究し続ける。

 文系でも活躍している。人事部門を歩んだ安田女子大(安佐南区)の竹内雄司教授(58)は女性のキャリア形成を研究。学生の就職支援も担う。至誠館大(萩市)では元常務の古田正雄教授(76)が経営学を教える。

 中国地方以外では、香川大(高松市)で車の安全技術やデザインを研究する佛圓哲朗教授(64)たちがいる。過去には元社長の井巻久一さん(77)が退任後、母校の兵庫県立大(神戸市)で特任教授を務めた。「知の還元」が綿々と続く。(村上和生)

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