地方経済
【コロナ危機 苦境を越える】焼き肉店、いち早く活気 換気の良さ武器・家族連れに強さ 業態転換で参入も
新型コロナウイルスの影響で飲食店の苦戦が続く中、焼き肉店がいち早く活気を取り戻してきた。換気の良さや家族で楽しめる点をアピールし、前年の水準まで回復する店が目立つ。業態を変更しての参入や、持ち帰りの強化などコロナ禍を生き抜く試みが中国地方で広がっている。
「客室の空気を入れ替えています」―。やきやき亭光町本店(広島市東区)は入り口に、こんなチラシを張っている。各テーブルに煙を吸い込んで屋外に排気する無煙ロースターがあり、約60平方メートルの店内の空気は約3分半で換気できるという。京山真生オーナーは「生き残るため、今は換気を武器にするしかない」と言い切る。
緊急事態宣言が出た4月は夜の営業を自粛し、売り上げが前年同月の半分に落ち込んだ。5月以降は持ち直し、前年の水準近くまで戻った。飲食業界の支援事業「Go To イート」が10月に始まり、新しい客も増えている。
日本フードサービス協会(東京)の全国調査でも、業態別で焼き肉の回復が目立つ。宴会が激減した居酒屋の9月の売上高が前年の52・8%にとどまる一方、焼き肉は91・7%。協会は「換気が新しい生活様式に適しているというイメージが広がっている」とみる。
コロナ禍で飲食を伴う職場の会合は減ったが、焼き肉には家族連れの根強い人気がある。需要を見込み、新規参入も相次ぐ。中国地方で居酒屋23店を展開する外食大手のワタミ(東京)は、全国の店の3分の1に当たる120店を2022年3月末までに焼き肉店へ変える。和牛の食べ放題を1人3168円から提供し、同社は「家族層を取り込む」とする。
新たな試みもある。広島市内で焼き肉店10店を構える泰成フーズ(中区)は10月、西区に移転した白李本店に、精肉を扱いカルビ弁当などを売る初の専門店を併設した。感染拡大を受けて始めた持ち帰りが好調で、新事業に踏み出した。大山泰司社長は「弁当などの中食を新たな収益の柱にし、専門店の新規出店や宅配サービスも目指す」と意気込む。(森岡恭子)
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