地方経済

二転三転に農家憤り・困惑 農水省の高収益作物支援交付金

2020/12/8 22:40
西日本豪雨で崩れた農地を調べる狩野さん。自由に使える交付金の残金は農地の補修費に充てるつもりだった

西日本豪雨で崩れた農地を調べる狩野さん。自由に使える交付金の残金は農地の補修費に充てるつもりだった

 新型コロナウイルス流行の影響を受けた農家を支援する農林水産省の「高収益作物次期作支援交付金」が迷走している。申請が予算額を2倍近く上回ったことから条件を厳しくしたが、批判を受けて救済策を出すなど制度が二転三転。振り回された中国地方の農家や団体から困惑や憤りの声が上がっている。

 ▽面積に応じ交付→作物・交付額に制限→批判受け救済策

 交付金は新型コロナ禍での営農継続が目的で条件が緩く、申請が相次いだ。当初は新型コロナによる減収幅にかかわらず、土壌改良など次期作につながる投資をすれば作付面積に応じて一律に交付金が出る制度だった。資材などを買った後の残金も自由に使えた。

 農水省によると、5月に始まった交付金の申請は242億円の予算額に対し、8月末時点で計約460億円に上った。想定を超える申請を受け、同省は10月12日に交付条件を変更。影響のあった作物だけを対象とし、交付額に上限を設けた。交付金は事実上の減収補填(ほてん)となり、残金も使えなくなった。

 突如の方針転換で、農家には不満が募った。呉市倉橋町のかんきつ農家狩野望さん(50)は「要綱が頻繁に変わり、制度設計がいいかげんだ」。交付金を見込んで土壌改良資材を予約した。残りを2018年の西日本豪雨で崩れた農地の補修に充てる考えだった。いずれも見通せなくなった。

 ▽担当者も混乱
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