地方経済

飲食店支える業者に補償なく 酒卸や生花店、影響深刻 広島の時短・休業要請1週間

2020/12/24 9:29
飲食店に配達する酒や食料品をトラックに積み込む住田の従業員。空のケースも目立つ(広島市中区)

飲食店に配達する酒や食料品をトラックに積み込む住田の従業員。空のケースも目立つ(広島市中区)

 広島県の要請を受けて、広島市中心部で酒を出す飲食店の営業時間の短縮や休業が始まって24日で1週間。酒卸や貸しおしぼりなど飲食店の営業を支えてきた業者への影響も深刻さを増している。休業が目立つ中四国地方最大の歓楽街、流川・薬研堀地区(広島市中区)の店と取引する業者も多く、新たな販路を模索する動きも出ている。

 酒類・食品卸の住田(中区)の本社で22日、従業員がビールや日本酒を入れたケースを2トントラックに積み込んでいた。例年ならクリスマス前の時期は荷台いっぱいに4段重ねるが、今年は取引先の休業が響き1段だけ。「12月なのにトラックが例年の半分しか動いていない」。青田裕治執行役員は肩を落とした。

 政府の需要喚起策「Go To キャンペーン」で飲食店やホテルの利用が戻り始めたのに伴い、歓楽街を支える業者の売り上げも回復傾向だった。だが県の要請に合わせた時短や休業が始まった17日を境に状況は一転。需要が急速に縮小した。しかも飲食店とは違って県からの協力金支給はなく、商機を失うだけの苦境に陥った。

 流川・薬研堀地区の生花店ダイヤフラワーは、周年祝いやプレゼントなど飲食店関連の客が多い。売れ行きが細り、週3回の仕入れを止めた。年内の最終営業日も例年より4日繰り上げ26日にした。岡下康一社長は「今の状況を見れば県の要請は納得できる。ただ、うちのような店にも何らかの補償があると期待していた」と残念がる。

 貸しおしぼりの広島県リースタオル(南区)の田畑裕生社長は「12月の売り上げは、前年の半分になるかもしれない」と気をもむ。アルコール消毒の前に手を拭く「エチケットタオル」を「飲食店以外にも納めるなど感染拡大の防止に向けてできることはやっていきたい」と取引先の拡大を考える。

 業務用の氷を飲食店に出荷する己斐製氷(西区)は、氷のジョッキやおもちゃ入りの氷柱などの詰め合わせ販売に力を入れる。池田誠常務は「プレゼントで使われるなど好評。新しいセットを考えていきたい」と前を向く。(加田智之、黒川雅弘) 


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