地方経済

ウッドワン、NZの森林取得30年 自社植林の木材、高品質で勝負

2021/1/14 22:04
ウッドワンがニュージーランドで経営する森林で伐採に当たる作業員(同社提供)

ウッドワンがニュージーランドで経営する森林で伐採に当たる作業員(同社提供)

 建材メーカーのウッドワン(廿日市市)が、ニュージーランドの森林を取得して30年が過ぎた。自社で植えた苗木が伐採期を迎え、昨年には国内への出荷が始まった。日本で培った枝打ちの技術を生かした、節のない見た目の美しさが特長という。人口減少で国内の一戸建て市場が縮小する中、競争力の高い商品としてアピールしている。

 ▽市場縮小、生き残り図る

 森林は1990年、財政危機に陥っていたニュージーランド政府の国際入札で取得した。現在は北島の2カ所で計約4万ヘクタールを経営する。森林は30区画に分け、従業員約500人の現地法人が毎年1区画を伐採。年約19万トンを出荷している。

 2019年までは、取得する前から立っていた木を切っていた。各区画の伐採後に苗木約200万本を植える中、昨年切ったのは30年前に植えた自社植林の「1期生」だった。現地などでの使用分を除き5割を日本へ輸送。本社工場などで無垢(むく)の床材やドアに加工してハウスメーカーなどへ売った。

 森林経営には、同社が木材を切り出していた廿日市市吉和の千両山などで培った技術を生かしている。木が育つ途中で3回の枝打ちをし、地面から8メートルは枝をなくす。木材の表面に出る節をなくすためだ。ニュージーランド国営時代の6メートルまでと比べ、見た目の良い木材が3割多く採れるようになった。

 同社が質の高い木材調達を目指すのは、主力の一戸建て向けの需要が小さくなっているためだ。国土交通省によると、19年の新設住宅着工戸数は約90万5千戸と前年から4・0%減り、96年の164万3千戸の半分近くになった。人口減や消費税増税を背景に減少が続き、40年度には41万戸になるとの推計もある。ウッドワンは高品質を武器に他社との違いを出し、生き残りを図る戦略を描く。

 同業では大規模な森林を経営する例は少ないという。「今後は他社にまねできない優良な原木を大量に獲得できる。付加価値の高い商品にして提案していきたい」と説明している。(秋吉正哉)


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