地方経済

【インタビュー】コロナ感染で何を思った 広島マツダ 松田哲也会長

2021/1/15 13:00
「体験を伝えることで、コロナに対する社会の理解を深めたい」

「体験を伝えることで、コロナに対する社会の理解を深めたい」

 ▽検査ためらわぬ空気を オープンにできる社会に

 自動車販売の広島マツダ(広島市中区)の松田哲也会長(51)は昨年12月、新型コロナウイルスに感染した。既に退院し「企業として隠してうわさになるよりしっかり説明したい」と取材に応じた。「体験を伝えることで感染症への理解を深めたい」と訴えた。(井上龍太郎)

 ―どのような経緯で感染が分かったのですか。

 12月10日に受けたPCR検査で陽性の結果が出た。会合に出るたびに自費で検査を受けるなど注意してきた。感染経路は分からない。家族をホテルに避難させ、まず家で待機した。解熱剤を飲んでも39度を超えた熱が下がらず、肺炎を併発して胸が苦しかった。14日から市内の病院に9日間入院した。治療法が確立されておらず、死も意識した。

 ―自身の会員制交流サイト(SNS)で感染を公表しました。なぜですか。

 予定した会合やあいさつ回りを全てキャンセルしたため、感染を隠せば理由をごまかすことになる。地域で変にうわさになるより公表する方が影響は小さい。胸を張って生きたい、オープンな企業でありたいとの考えもあった。

 すぐの公表も考えたが「マスクなしで15分以上会話」など濃厚接触者の定義が正しく理解されているとは言い難い。数週間前に会った人や、すれ違っただけの人も不安がる事態が予想できた。感染の可能性があった社長以下の全役員を念のため在宅勤務にするなど、防止策を尽くしてから公表した。販売面への影響もなかったように思う。

 ―病床での過ごし方は。

 患者や医療従事者がコロナと闘う場所。パソコンのキーボードをたたく音を響かせるわけにはいかない。熱が下がっても仕事のメールは最小限にし、判断は先送りにした。経営者がいなくても仕事は回るものだ。

 ―感染によって考えは変わりましたか。

 検査をためらわないでほしい。無症状の人が感染を広げていたら延々と増える。一方で注意しても感染は防ぎきれない。感染の事実をもっとオープンにできる社会、コロナと適切に向き合えるような「空気」が大事だと思った。 

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