地方経済

呉ビール31日に解散、「海軍さんの麦酒舘」閉店 広島県内初の地ビール製造販売

2021/1/26 22:50
呉ビールが運営する「海軍さんの麦酒舘」。同社の解散に伴い閉店する

呉ビールが運営する「海軍さんの麦酒舘」。同社の解散に伴い閉店する

 広島県内で初めて地ビールの製造販売を手掛けた呉ビール(呉市)が、31日に解散すると決めた。工場とレストランを併設し、売り上げの中核を担う施設「海軍さんの麦酒舘(ばくしゅかん)」(同)の来客が新型コロナウイルスの感染拡大で減っているため。県内最初の地ビールが、誕生から四半世紀で姿を消す。

 呉ビールは1995年に設立。96年に地ビールのクレール(現・海軍さんの麦酒)を発売した。麦酒舘は呉市中心部の中通にあり、地元の名水を使ってピルスナーやアルトなど数種のビールを製造。呉市に加え、広島市や福山市など県内各地の商業施設や酒販店、土産店で売ってきた。

 ただ醸造開始から25年を迎え、古くなった設備を買い替える必要が出てきた。地元産の食材を使った料理も出して観光客にも親しまれるなど、同社の売上高の6〜7割を占める麦酒舘の集客もコロナ禍で見通せないと判断し、20日の株主総会で解散を決議した。従業員5人は解雇。コロナ禍で休業中の麦酒舘は、31日に閉店する。

 同社の設立は地元企業などでつくる呉産業活性化懇談会が計画し、市民も出資した。社長を呉商工会議所の会頭が兼務するケースが多く、地元財界も支えてきた。経営は、2018年夏の西日本豪雨による麦酒舘の来客減を機に難しくなっていた。19年3月期は売上高1億2千万円、純損益は2600万円の赤字。20年3月期は売上高1億1700万円、2100万円の赤字だった。

 清算人を務める佐々木雅治取締役支配人は「オンライン販売の強化やテークアウトを考えたが、会社に体力がなかった。市民にも愛された味わいを残すことができず、残念で悔しい」と話した。(東谷和平) 


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  • 呉ビールが製造していた「海軍さんの麦酒」

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