地方経済

デジタル化の波にあらがえず フタバ図書事業譲渡、不適切会計「回答は容赦して」

2021/1/28 22:31
昨年8月に閉店したフタバ図書ギガ本通店(2020年8月、広島市中区)

昨年8月に閉店したフタバ図書ギガ本通店(2020年8月、広島市中区)

 新会社への事業譲渡という再建策を選んだ書店チェーンのフタバ図書(広島市西区)。経営陣は28日にオンラインで記者会見し、インターネット通販やデジタル書籍の台頭による厳しい環境に言及した。債権を持つ金融機関が認める過去の不適切な会計処理は否定しなかった。

 「デジタルの波は書店にとって厳しく、事業譲渡を検討し始めたのはここ半年や1年ではない」。フタバ図書の世良暢啓常務は会見で、新型コロナウイルス禍の前から再建策を模索していたと明らかにした。

 2020年3月期の売上高は約240億円。書店業界が構造的な不況に陥る中、同社はフィットネスクラブの運営など事業の多角化に取り組んだ。ただ近年は赤字傾向で、不採算店などを次々と閉店。コロナ禍による巣ごもり需要も、経営を好転させるほどではなかった。

 会見では、負債総額など経営状況は明らかにしなかった。同社に融資する金融機関は中国新聞の過去の取材で、粉飾決算があったと答えていた。この点についてフタバ図書は「回答は容赦してほしい」と述べるにとどめた。広島県が出資するひろしまイノベーション推進機構(中区)の熊谷賢一社長は「過去の経緯と引き離して考えている。新会社に引き継ぐ部分についてはしっかり調査している」と述べた。

 新会社は蔦屋書店(東京)などの経営ノウハウを生かし、さまざまな業態が協業する「書店の新しいモデル」(熊谷社長)を目指す。創業家を中心とした現経営陣は退く一方、フタバ図書という商号は維持する方針だ。創業家出身の世良常務は「フタバ図書というブランドが引き続き残るのは大変良かった」と話した。(加田智之)


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