地方経済

従業員対象に企業説明会 20社がブース、84人が参加【日鉄呉地区 製鉄所閉鎖】

2021/2/13 20:32
企業の担当者(奥側)から求人などの説明を受ける日鉄関係の従業員

企業の担当者(奥側)から求人などの説明を受ける日鉄関係の従業員

 閉鎖方針が示されている日本製鉄(日鉄、東京)瀬戸内製鉄所呉地区(呉市)で働く従業員を対象にした合同企業説明・相談会が13日、2日間の日程で呉市役所で始まった。再就職活動が本格的にスタートした形だが、新型コロナウイルス禍で雇用環境は悪化している。従業員の不安は尽きない。

 広島労働局と呉市の主催。初日は20社がブースを並べ、事前に応募した日鉄や協力会社の社員たち84人が参加した。日鉄社員の東広島市の男性(34)は「子育てなど家庭の事情で地元は離れられない。新たな職を前向きに探していきたい」と語る。製造業を中心に担当者から業務内容や求人の説明を聞いた。

 参加企業は自動車部品製造や製材、運輸などで、就業地は呉や東広島、広島市としている。14日も別の20社が出展し、約100人が参加を予定する。求人は計223件寄せられた。呉や東広島市に工場を構える精密測定機器メーカー、ミツトヨ広島事業所総務部の森桶博史部長は「製鉄所で働いた経験は即戦力になると期待している。優秀な人材を雇いたい」と力を込める。

 ただ、コロナ禍で企業の採用意欲は落ち込んでいる。呉市を中心とした地域の昨年12月の有効求人倍率は0・97倍で、求職者1人につき1件の求人もない。参加者の市内の男性(53)は「年齢が高い人ほど再就職は難しいと思う」と不安を口にした。

 日鉄は呉地区の高炉休止を今年9月末、閉鎖を2023年9月末めどとしている。広島労働局などは高炉休止時点で、現在働いている約3千人のうち半数の仕事が失われるとみる。ハローワーク呉の田辺克也所長は「再就職に向けて今後も対策は打っていく」と話している。(東谷和平) 

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