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【地域きらり】再開発ビル、にぎわい期待 JR徳山駅前、ホテル・専門店・住居計画「市民集う空間」へ進化中

2021/3/4 21:19
開館から3年を迎えた徳山駅ビル

開館から3年を迎えた徳山駅ビル

 周南市のJR徳山駅前で再開発ビルの建設が本格的に動きだす。新しくなった駅ビルに続き、2023年春の完成を目指す。百貨店を失った中心街のにぎわい復活の鍵を握る一大プロジェクトだ。ハードとソフトの両面で街の進化を連鎖させられるかが注目される。

 徳山駅前の商店街に並ぶシャッターには再開発に伴う店舗の移転を知らせるチラシが目立つ。今後、2013年に閉店した近鉄松下百貨店を含む古い建物を解体し、約1・2ヘクタールにホテルや高層マンション、商業施設を建てる。県の認可を受け、地権者の権利を再開発ビルに移す「権利変換」が2月26日に実施された。

 計画では主な建物は4棟。12階建てホテルは117室を構え、市内で最高層となる18階建てマンションに約100戸が入居する。商業施設は2階建て延べ約1万平方メートルで飲食やファッションの専門店を集める。総事業費は約112億円を見込む。うち市などが約30億円の補助金を出す。再開発組合は「近く計画の進み具合を発表する場を設けたい」と説明する。

 6階建ての駅前棟は来年にも先行開業し、徳山商工会議所が移る。宮本治郎会頭は「市民に愛され、応援される市街地となるよう力を尽くしていく」と強調する。関係者によると、駅前棟のフロアの賃借に意欲を示す大学もあるという。

 駅前棟などと2階部分のデッキで直結するのが徳山駅ビルだ。2月に開館3年を迎え、累計の来館者は530万人に達した。新型コロナウイルスの感染拡大で年約200万人だった2年目までと比べると減ったが、書店やカフェの人気は高い。

 ▽市民企画増える

 ビル内の図書館はレンタル大手「TSUTAYA」などのカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営している。CCC社員の桜沢圭一館長(42)は「駅ビルと再開発ビルがにぎわいを相互に波及させる関係を築きたい」と今から連携を模索する。

 新幹線と在来線が乗り入れる徳山駅は、これまでの「通過点」から駅ビルの完成で「市民が集う空間」へと変貌しつつある。桜沢館長は「開館当初はこちらがイベントを仕掛けていたが、今では市民から多様な企画が持ち込まれている」と指摘する。昨年12月には駅ビルで初めて結婚式を挙げるカップルも現れ、桜沢館長も協力した。

 「約40年前は日曜になると幅広い世代の買い物客が訪れ、肩をぶつけ合いながらでないと歩けないほど混雑していた」。再開発エリア近くの商店街で雑貨店を営む溝上重幸さん(54)は振り返る。当時は複数の映画館が集客を競っていた。

 ▽既存店も努力を

 東京の百貨店で勤務し、14年にUターンした溝上さんは再開発に「期待と不安が半分ずつ」と明かす。郊外の大型店やインターネットでの買い物が定着する今、新しいビルだけではすぐに飽きられるとみる。溝上さんは「周辺の個々の店も魅力を高める努力を惜しまず、街全体で楽しませる工夫が必要だ」。再開発をきっかけに変化の機運が中心街で広がることを期待している。(川上裕)


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  • 再開発エリアにある旧近鉄松下百貨店の建物

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