地方経済

ポプラ、施設内店舗に活路 ローソン・ポプラへ切り替え開始

2021/3/19 22:20
ローソン・ポプラとしてオープンした東京都目黒区の店(4日)

ローソン・ポプラとしてオープンした東京都目黒区の店(4日)

 コンビニのポプラ(広島市安佐北区)は今月、100店余りを対象にした「ローソン・ポプラ」への切り替えを始めた。コンビニの乱立で8年連続の減収と苦戦を強いられる中、資本提携する業界大手ローソン(東京)の品ぞろえを生かして売り上げの回復を図る。単独運営の店はビルなど施設内の小型店に絞り込む。物流の効率化や無人店舗の活用で、業績の反転を目指す。

 ▽物流を効率化 無人化も模索

 東京都目黒区と埼玉県八潮市に4日、ローソン・ポプラがオープンした。青を基調とした看板に赤く「ポプラ」の文字が入る。店内にはローソンのプライベートブランド(PB)商品が並んだ。ポプラの大竹修取締役は「大手と商品力の違いは大きい。売り上げは上がる」と期待を込めた。

 ポプラは大手コンビニの出店攻勢に押され、2013年2月期から20年2月期まで売上高が減り続けている。老朽化した店の改装も進められない中、昨年9月に打ち出したのがローソン・ポプラへの転換だ。468店(同7月末時点)のうち109店を4カ月かけて変える。広島県内でも4月、移行が始まる。

 ▽PB商品に期待

 ポプラは、ローソンのPB商品に期待した。PBは利益が見込めるが、ポプラの企業規模では独自開発が難しかった。14年にローソンと資本業務提携を結んだものの、提供を受けるPBは菓子や飲料など一部だった。今回は人気唐揚げの「からあげクン」などが並べられるようになる。

 ポプラは確実な効果を見込んでいる。山陰地区で15年以降に先行転換した約50店のローソン・ポプラ。売り上げは平均2割増えた。今回の大規模な転換で、利益の上積みを狙う。

 店頭で炊きたてご飯を詰める「ポプ弁」は続け、双方の看板商品がそろう。ローソンは「長年地域に密着して商売を続けてきたポプラと、両社の強みを生かした店を目指す」とする。

 ポプラ単独の運営は約250店になる。病院やホテル、事業所など施設内の店が中心で、7月には路面店から事実上撤退する。集客の限られる施設内の店で、どう収益を確保するか―。大竹取締役は「物流を改革する」と力を込める。

 ▽「低コスト」研究

 24時間営業の路面店は、弁当や冷凍食品など商品ごとに1日5回前後の配達が必要だった。施設内の小型店は営業時間が短く、温度管理のできるトラック1回で済ませられる。

 新たに無人店舗の運営も模索する。1月から中区の企業内で、実験的に取り組んでいる。客はセルフレジで棚の商品を読み取り、電子マネーなどで決済。商品や売り上げは近くの店が管理する。入館手続きが必要な施設内なら万引などの懸念も小さいと判断して始めた。高額なレジの代わりにタブレット端末を置く方式も検討するなど低コストの店づくりを研究している。

 ポプラの主力は今後、売り上げの小さな店が担うことになる。それでも大竹取締役は「施設内は出店の余地が大きい」と強調する。激化する路面店の競争から逃れ、新市場を開拓して勝ち残る戦略は成功するのか。4月に設立45年を迎える企業が正念場を迎えている。(筒井晴信)

 【記者の目】新たな独自戦略に注目

 子どもの頃から見慣れた赤い看板。大半のポプラは施設内になるため、見る機会は減る。路面店では「ポプ弁」だけが存在を感じさせるものになる。ただ裏を返せば、ポプ弁は業界大手も認めた特色ある商品とも言える。今度はビジネスモデルで新たな独自戦略を打ち出せるか。地場企業の挑戦に注目したい。


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  • ポプラが試験的に取り組む無人店。利用者がレジで購入商品を読み込む(広島市中区)

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