地方経済

広島に移転・進出企業倍増 20年度28社、働き方転換進む

2021/4/20 22:55

 広島県にオフィスを開いたり本社機能を移したりする東京や大阪など県外の企業は2020年度、前年度の2・3倍の28社に上り、過去5年で最も多かった。新型コロナウイルス禍で、リモートワーク(遠隔勤務)が一定に浸透。一極集中による災害リスクや首都圏などのコスト増を避けたい従来の流れに加え、対面主体だったビジネスの転換が「地方回帰」を後押しした。

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 県によると、県内に移転するなどした県外企業は19年度の12社から28社に急増した。都道府県別は東京が最も多い18社で、大阪5社、神奈川2社と続いた。他に広島の3社の県内移転もあり、全体は31社。県が5年前に定めた目標の「年30社」を初めて達成した。

 業種は、ITを使ったサービスを展開するデジタル系企業が20社と最多。送迎予約やアプリ開発を手掛ける企業が拠点を置いた。コロナ禍で勤務場所を選ばない働き方が拡大。取引先への営業もオンラインが定着した。県県内投資促進課の市川和雄課長は「職場を都心に持たなくても働きやすくなったようだ」と指摘する。

 外資系では、フィンランドが本拠地のウォルトが広島市にオフィスを構えた。料理の出前事業を国内では同市から始め、巣ごもり需要を取り込んだ。米半導体大手マイクロン・テクノロジー子会社のマイクロンメモリジャパンも2月末、本社を東京から広島工場がある東広島市に移した。

 誘致に力を入れる県の施策も、経営者の背中を押した。県は16年度、転入する社員や家族も対象にした全国初の助成制度を開始。昨年10月にはコロナ禍の移転ニーズを踏まえ、オフィス賃料や通信設備などへの助成の限度額を1億円から2億円に上げた。県によると、21年度も既に27社の移転や事業所拡充の予定があるという。(井上龍太郎) 


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