地方経済

「限定社員」希望かなえる採用拡大 職種や勤務地

2021/4/23 22:15
堂本食品の本社工場で商品運搬用のクレーンを確認する三宅さん

堂本食品の本社工場で商品運搬用のクレーンを確認する三宅さん

 職種や勤務地を限定し、新卒の学生たちを募集する地場企業が増えている。大学などで習得した技能を生かせたり、転勤のない職を選べたりする点をアピール。休日の多い職種を設ける動きもある。柔軟に働ける環境を整え、優秀な人材の確保につなげようとしている。

 つくだ煮や総菜など製造の堂本食品(広島市安佐南区)は営業、開発などの部門をまとめて募集する総合職に加え、来春卒の採用で「開発限定職」を設けた。入社1年目から新商品作りや品質管理を担う開発本部に配属する。

 ▽就活、配属先が不安だった…

 職務を限定することで、学生が就職活動で抱く配属先への不安を解消する狙いがある。堂本健壮取締役は「人手不足の加速が予想される中、就活生の思いに寄り添うことが大切だ」と説明する。

 昨春には、勤務地が本社だけとなる地域限定職も設けた。本社工場で働き、将来は生産部門の幹部候補となる。昨年入社した三宅玲司さん(23)は家族で暮らす安佐南区の自宅から通勤。「地元で食品関係の会社を志望していた。慣れた土地で安心して働けている」と充実感をにじませる。

 スーパーのフレスタ(西区)は2019年春の新入社員から、望んだ勤務地で働ける採用枠を設けた。バイヤーやマーケティングなどの希望職種に入社3年以内に就けるコースもある。

 休日の多い「一般事務職」を設けたのは、自動車販売の広島マツダ(中区)。総合職より給与は少ない一方、年間休日が19日多く、資格取得などの自己研さんや家庭の事情に対応しやすくした。希望に応じて総合職に変更もできる。

 ▽多様な働き方へ

 限定社員を希望する就活生は少なくない。労働政策研究・研修機構(東京)の17年の調査では、72・6%が「地域限定」に、58・0%が「職務限定」に応募の意向があるとした。一方で地域限定の新卒採用をしている企業は11・0%で、職務限定も19・1%にとどまった。

 就職情報会社マイナビ広島支社(中区)の松本威生(たけお)支社長は「地元や知っている場所で働きたいというニーズが強まっている」と指摘。「少子高齢化で労働人口が減る中、継続した雇用のための対策が必要。多様な働き方に取り組む企業は増えるだろう」とみている。(口元惇矢)


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