地方経済

消費激変、需要掘り起こし 外食は伸びぬ来客、宅配に活路【コロナ感染拡大1年】

2021/5/6 22:01
感染症対策としてカウンター席だけにした、ばり〓新天地店(広島市中区)

感染症対策としてカウンター席だけにした、ばり〓新天地店(広島市中区)

 新型コロナウイルス禍で経済活動は一変した。街に繰り出す人は減り、モノの流れは縮小。多くの企業が苦境に直面する。感染拡大から1年余り。感染の「第4波」が拡大する中、中国地方の飲食店や宿泊施設はこの1年の経験を基に、工夫を凝らして乗り越えようとしている。製造業も回復の動きが強まっている。地域の今を報告する。

 【外食】

 調理場をLの字に囲う形でカウンター席が並び、客が黙々とラーメンをすする。約36平方メートルの店内にテーブル席はない。ラーメン店「ばり〓(うま)」などを展開するウィズリンク(広島市安佐南区)が3月、中区新天地に開いた店だ。

 客が向かい合うのを避け、食事中の会話を控える「黙食」を促す。感染対策を意識した。店舗は以前、同社の別ブランドのラーメン店だったが、改装でテーブル席を取り払った。席数は減ったが「安心安全を最優先した」と富谷薫社長は説明する。

 近くにあった、ばり〓本通店は、外出自粛の影響を受けて閉店した。同社の3月の国内の売り上げはコロナ禍前の2019年3月よりも26%少ない。富谷社長は「回復とは到底言えないが、主力ブランドで勝負したい」と前を向く。

 来客が伸び悩む中、外食各社が力を入れるのが宅配事業だ。市場調査会社エヌピーディー・ジャパン(東京)によると、20年の外食業による出前サービスの市場規模は6264億円。前年の1・5倍に増え、今後も成長が見込めるという。

 お好み焼きの「みっちゃん総本店」を展開するISE広島育ち(佐伯区)も複数の宅配サービスを利用する。現在は中区と廿日市市の計3店でウォルトとウーバーイーツ、ディディフードと提携する。

 休業要請に加え、観光支援事業「GoToトラベル」、飲食店向けの「GoToイート」…。取り巻く環境は刻々と変わった。「新しい取り組みへの対応に追われる1年だった」と同社。一方で「テークアウトや宅配の増加で店を知ってもらう機会になった」と前向きに捉える。感染者数が再び増える中、新しい生活様式に対応するための模索は続く。(山川文音)

 【旅館・ホテル】
(ここまで 861文字/記事全文 1605文字)

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  • 宴会場の貸し出しを説明する世羅別館の高田専務(左)。間仕切りも用意している
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