地方経済

島根原発2号機正式合格 規制委、審査書を決定【動画】

2021/9/16 11:00
再稼働に向けた審査に正式合格した島根原発2号機(手前左)。右隣は廃炉作業中の1号機。奥は建設中の3号機

再稼働に向けた審査に正式合格した島根原発2号機(手前左)。右隣は廃炉作業中の1号機。奥は建設中の3号機

 原子力規制委員会は15日の定例会合で、中国電力島根原発2号機(松江市)の安全対策が新規制基準を満たすと認める審査書を決定した。再稼働の前提となる審査は2013年12月に申請。7年9カ月で正式に合格したことになる。11年3月に事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型では4原発5基目。今後は再稼働に向けて地元自治体に同意を得る手続きが焦点となる。

 ▽再稼働 地元同意が焦点に

 中電は安全対策工事を本年度内に終える予定。しかし、再稼働の時期は明確ではない。今回は基本設計に関する設置変更の許可で、さらに詳細設計を示す工事計画や、原発の運転管理のルールを定めた保安規定の認可を得る必要がある。地元同意のハードルも残る。

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 この日の会合では、6月の事実上の合格後の意見公募で、中電がテロ対策施設に関する機密文書を誤廃棄した問題を巡り「原発を運転する資格があるのか疑問」などの意見があったと事務局が説明した。更田豊志委員長は「安全文化の劣化の兆候と捉えるべきだ。自社の言葉で改善に向けた姿勢を示さないといけない」と述べ、保安規定の審査で確認するとした。

 地元同意では、原発稼働などの事前了解権を求める周辺自治体への対応に注目が集まる。中電と安全協定を結ぶ原発30キロ圏の2県6市のうち、松江市と島根県は事前了解権を持つが出雲、安来、雲南、米子、境港の5市と鳥取県にはない。鳥取県の平井伸治知事の動向が鍵になる。

 梶山弘志経済産業相は正式合格後、島根県の丸山達也知事に再稼働への地元同意を要請した。丸山知事は県議会や関係自治体、専門家、住民の意見を踏まえて判断する。島根原発は全国で唯一、県庁所在地にある原発で、30キロ圏に住む約46万人の避難計画の実効性も課題になる。

 島根2号機の審査は、原発の近くを通る宍道断層の長さの評価に時間を要し、耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」の議論が長引いた。184回の審査会合を経て規制委は6月に審査書案を了承。事実上の合格となっていた。

 島根原発の安全対策費は約6千億円と申請時の1千億円以上から大幅に増えた。テロ対策施設の建設でさらに膨らむ見通しだ。

 福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づく審査に正式合格したのは島根2号機で10原発17基目。加圧水型の6原発10基が再稼働した。沸騰水型は東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)日本原子力発電東海第2(茨城県)東北電力女川2号機(宮城県)が正式に合格したが、いずれも再稼働していない。(境信重)

 【解説】中電や国は不安解消を
(ここまで 1078文字/記事全文 1645文字)

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