リポーター発

フランス

「愛の国」も離婚率上昇

2013/12/3
エルザさん(左端)の子どもたちと楽しいひとときを過ごすブノワさん(右端)

エルザさん(左端)の子どもたちと楽しいひとときを過ごすブノワさん(右端)

 離婚率の高いフランスでは子ども連れの再婚や同居も珍しくない。私の住む中部の地方都市オルレアン市でも新しい「家族の形」がみられる。
 パリの日本語新聞によると、パリでは「結婚・事実婚の2組に1組が離婚か離別する」という。地方でも次第に離婚率は上昇している。2004年の民法改正で離婚手続きが簡略化されたうえ、女性が離婚後も経済的に保護されるようになったのが要因だ。
 私の近所に住む女性教師ジャンデル・エルザさん(40)は3年前に離婚した。8歳から4歳までの男児3人を連れて、ことし1月から新しいパートナーのブルトゥイ・ブノワさん(42)と暮らす。
 先月下旬、家を訪ねると、リビングから楽しそうな声が聞こえてきた。男の子3人と一緒にアニメのDVDを見てくつろぐブノワさん。エルザさんは自家製のケーキでもてなしてくれた。幸せな家庭を築いているのだなと感じた。
 フランスでは離婚をした場合、両親が共同で親権を持つ。例えば、子どもが母親と一緒に生活する場合は、週末ごとに父親と過ごすのが一般的。学校は休みが多く、子どもたちはその長期休暇も両方の親と半分ずつ過ごすことになる。
 ブノワさんは「各週末と、長期休暇の半分は実父の元に行くので、私も自分の時間が持てる。ずっと一緒だったら息が詰まるからね」と言う。
 エルザさんとブノワさんは、婚姻届を出さずに一緒に暮らす。フランスでは2人のような事実婚や同居カップルが50%を超えた、とニュースが伝えている。理由は、離婚手続きは簡単になったとはいえまだ難しいからだ。加えて、籍を入れなくても、子どもたちは籍を入れた子どもと同じ権利を持つ。その結果、事実婚や同居が増えるというわけだ。
 愛情が冷めれば「即離婚」につながる社会状況に反省の声もある。私が日本語を教える59歳の男性は、2回離婚し、最初の妻との間に30代の娘が2人いる。
 長女も次女も2回離婚。次女は現在、3人目の男性と籍を入れずに暮らす。59歳の男性は「フランスはアムール(愛)と自由の国だが、娘たちに影響を与えてしまった。夫婦生活には我慢も必要だった」と自戒の念を込める。(マリエ悦木嘉子=オルレアン在住)

 まりえ・えつき・よしこ 1981年、岡山市北区生まれ。2歳から広島市で過ごす。広島市立大時代にフランスのオルレアン大に交換留学。広島市内で勤務後、2009年に再び渡仏。10年1月にフランス人と結婚した。

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