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【ヤマネホールディングス(広島市南区)社長 山根誠一郎さん(47)】木の家づくり 豊かさ追求

2021/4/28
山根社長(右端)にインタビューする左から小西さん、中川さん、徳永さん、片山さん

山根社長(右端)にインタビューする左から小西さん、中川さん、徳永さん、片山さん

 木材店として創業し、昨年、創業110周年を迎えた住宅建設などの山根木材グループ(広島市南区)。地元の木材を使った長く住み続けられる家づくりを追求してきた山根誠一郎社長(47)に、事業への思いや学生へのアドバイスを聞いた。
(聞き手は、広島国際大・小西由芽、広島大・片山開貴、安田女子大・中川理香、広島修道大・徳永雅希)

 ―大学卒業後の就職先はどのように決めましたか。
 家業を継ぐのか就職するのか、気持ちの中では半々だった。先代社長だった父に「好きにしていい」と言われ、就職するなら創業者の思いが残っている会社にしたらどうかとアドバイスをもらった。そこで創業者の孫正義さんがいるソフトバンクを選んだ。
 東京で働き、力試しをしたかった。仕事を通じて最先端の技術について身に付けられるのも魅力だった。技術の進化で大きなマーケットが生まれる中、どこで一獲千金を狙えるか、という野心もあった。
 同社を退職したのは「家業を継ぐ前提でこれ以上勤めても自分の力は伸びない」と思ったから。山根木材に入社し、米国に留学した。弁が立つ方なのに、米国では言葉の壁にぶつかり、周りの力を借りないと卒業もできない。無力な自分に気付かされたのは良い経験になった。

 ―社長に就任して10年がたちました。
 2011年、就任の約1カ月後に東日本大震災が起きた。その3年後に広島土砂災害。そして18年に西日本豪雨があり、20年からは新型コロナウイルスの影響…。もちろん危機に備えるわけだが、何か一つにつまずいたら一気に倒れてしまうような、薄氷を踏むような、そんな思いはあった。でも、大切なのは一つ一つの仕事をどうこなしていくかだ。
 16年、本社敷地内に家具のショールーム「デジマストック」を開業した。家は、インテリアなど身近な所から考えて設計していく方が消費者には分かりやすい。ここに来て商品を見ながら「こんな家具が似合う家に住みたい」と思ってもらいたい。住みたい家のイメージを、家をつくる側と相違なく共有して、もっと楽しく家づくりをしてもらいたい。
 インテリアと住まいを融合させて提案できるところが社の強みだ。安全で断熱性能などが良く、資産価値が残る家を当然のようにつくることができる。そして、インテリアから家づくりを楽しんでもらう―。両方を合わせて提案できるのは当社だけだと思う。

 ―今後の目標は。
 広島の住まいが豊かになったと実感してもらえるよう、社会の役に立っていきたい。「広島の木」を大切にするのは当社の使命だと考えている。戦後の植樹でたくさん育った広島の木を使い、住宅を維持管理して快適な環境にしながら住んでもらう…。当たり前のことを丁寧にすることで住まいは豊かになり、心の豊かさにつながる。その流れをつくることが、当社にとって地域の中で役に立てることだと思う。

 ―学生へのアドバイスをお願いします。
 学生時代は、いろいろな人に出会える。大学の先生のネットワークやアルバイトを通じて、さまざまな職場を体験できる。社会人になったら他社にずかずか行くことなんてできない。学生の特権だ。人に出会える、そして時間を使えるという特権をぜひ生かしてほしい。

▽やまね・せいいちろう 一橋大商学部卒。1998年、ソフトバンクに入社。2000年、山根木材に入社。03年、米ポートランド州立大で国際経営学修士課程修了。取締役、常務を経て、11年2月から現職。広島市中区出身。

▽ヤマネホールディングス 本社は広島市南区。1910年4月に山根木材店として創業。51年に山根木材を設立し、72年に住宅事業を始めた。2014年、持ち株会社に移行。山根木材ホームなど6社を傘下に持つ。21年1月期の売上高は103億円。グループ従業員数257人(21年4月現在)。

▽インタビューを終えて

 広島国際大2年・小西由芽(19)
 取材前は家づくりは、建物自体のことだけと考えていた。取材を通じ「毎日使うものこそ自分が好きなものを選ぶことで暮らしも心も豊かになる」という考え方に気付かされた。これからも生活の中で「心を豊かにする」という視点を忘れないようにしたい。

 広島大2年・片山開貴(20)
 顧客の心に豊かさをもたらしたいという熱意や、社会の役に立つために従業員の持つ能力を最大限引き出すという社長の考え方を、とても魅力的に感じた。世の中の変化にアンテナを張り、新しい価値観をつくり出す仕事の本質を教えてもらった。

 安田女子大3年・中川理香(20)
 「もっと豊かな暮らしができる」という言葉が印象に残っている。私は今のままでも十分だと思っていたが、インタビューをしたショールームですてきな家具を見て、確かにそうだとあらためて考えさせられた。家具から住まいを探すことを実践してみたい。

 広島修道大4年・徳永雅希(21)
 初めての取材でとても緊張した。山根社長の「外に出たかった」「東京に憧れを持っていた」という言葉に、大学を受験したときの自分の姿を重ね合わせた。「挑戦してみたい」という気持ちを忘れず、夢をかなえて社会の役に立つ人になりたい。

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