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【ピーカブー(広島市安佐南区)社長 小村佳子さん】 育児応援 女性が輝ける場

2021/5/26
小村社長(左端)にインタビューする右から近藤さん、藤本さん、則宗さん

小村社長(左端)にインタビューする右から近藤さん、藤本さん、則宗さん

 保育園が隣接するオフィスのビジネスモデルで注目されるピーカブー(広島市安佐南区)。ウェブメディアへの記事執筆や、企業からのアウトソーシング事業を担うスタッフの9割以上が子育て中の母親たちだ。自身も3児の母で、「ママたちに、自分に誇れる自分であってほしい」と話す小村佳子社長(34)に、事業への思いや学生へのアドバイスを聞いた。
(聞き手は、県立広島大・藤本涼子、広島市立大・則宗菜月、広島工業大・近藤令奈)

 ―起業した経緯は。
 リクルートライフスタイルでは営業成績も良く、通例よりも早く正社員になれるなど成果を残していた。しかし出産後、広島での家族との暮らしを大切にしながら、自分のやりたい仕事をしたいと思うようになった。その実現のため、自分自身でキャリアを積める新しい事業を始めたいと思った。
 当時、夫の経営する会社ではスタッフの結婚や出産を想定し、保育園をつくりたいという考えはあったが、200万〜300万円の赤字になる試算だった。そこで考えたのが、多くのママたちを採用できる事業の新設。ママたちは子どもを預けながらお金を稼ぐことができ、会社はその利益を保育園の運営資金に充てることができる「ウィンウィン」の関係を築けると考えた。公的な助成制度といった追い風もあり最終的に黒字化。分社化して代表に就いた。

 ―苦労したことは。
 私はいろいろな経験をしてきたが「保育士経験」はなかった。多くの保育士を率いてリーダーシップを取っていくこと、マネジメントしていくことに難しさを覚えた。そこで「これは自分が勉強するしかない」と思い立ち、勉強をスタート。海外へ研修に行き、幼児教育に関する資格も取得。自分がやりたい保育、ママたちが安心できる保育の形を確立していった。
 働きながら、子育てをしながらの勉強は大変だった。でも、私自身は努力すればできないことはないと思っている。自分に特別な才能があるとは思っていない。だから努力し続ける。やると決めたらやり続けると決めている。

 ―他社に負けない強みは。
 東京や大阪といった都市部に比べて低い価格でありながら、都市部と変わらないクオリティーで仕事をできること。その背景には「人材の強み」がある。
 当社では、出産などでキャリアを中断したが、さまざまな資格や経験を持った仲間が働いてくれている。パートを含めた複数人のチームを作って仕事を分業。一人一人が得意な業務に専念することで、仕事のクオリティーを上げることができる。
 また、スタッフは各自で目標を設定する。会社から「やりなさい」と言われたことをやるのではなく、仕事に自由度がある。だからといって、手を抜くスタッフはいない。責任を持って仕事をしてくれるモチベーションの高いスタッフがそろっているのも大きな強み。だから会社として高いパフォーマンスを維持することができる。

 ―学生へのアドバイスをお願いします。
 さまざまな選択肢を持てる未来を築いてほしい。たくさんの選択肢を得るには努力が必要。未来は点で存在するのではなく、今と線でつながっているからだ。過去と今の努力が未来につながる。だから努力を重ね、自分が選び取れる未来の選択肢を増やしてほしい。

 ▽こむら・けいこ 2006年、大阪の美容専門学校を卒業後、アパレル企業に就職。11年、リクルートライフスタイルに入社し、広島などで勤務。16年、夫が経営するクリエイティブラボに転職し、ピーカブー事業を始めた。17年に分社化し、現職。兵庫県芦屋市出身。

 ▽ピーカブー 本社は広島市安佐南区。まつげ美容サロンなどを運営するクリエイティブラボ(広島市中区)の1部門として2016年に保育事業を開始。17年に分社化し、ウェブメディアへの記事執筆や、アウトソーシング事業を手掛ける。広島市内に4オフィスあり、いずれも保育園や幼稚舎がそばにある。従業員の保育料は無料。売上高は3億7千万円(19年度)。従業員数164人で、ほとんどが女性(21年5月現在)。

▽インタビューを終えて

 県立広島大2年・藤本涼子(19)
 小村社長の「自分に誇れる自分になる」という言葉が特に印象に残った。私も、他者からの評価ではなく、自分で自分をどう評価できるかを大切にしたい。大学やアルバイトで理不尽なことがあっても、何でもとりあえず努力してみるような姿勢を持ちたいと思った。

 広島市立大3年・則宗菜月(20)
 何かを成し遂げるには、他者の評価を気にするのではなく、自分の目標や軸をしっかりと持つことが大切なのだと感じた。社長のようにアイデアを形にできるのはすごいことだと思う。子育て中の従業員をサポートする企業が増え、もっと女性が働きやすい社会になってほしい。

 広島工業大4年・近藤令奈(21)
 小村社長は、常に自分の選択に誇りを持って決断してきたのだと感じた。キャリアアップや広島で働くという明確な意思を持ち、実現するために起業をしたという行動力に感銘を受けた。社長の原動力や、努力を続けている姿を知り、忍耐強く継続することの大切さを学んだ。

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