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【5コーポレーション(広島市南区)社長 田中良典さん】個別指導 考える力育む

2021/7/28
田中社長(右端)にインタビューする左から吉実さん、秦さん、垰野さん、高田さん

田中社長(右端)にインタビューする左から吉実さん、秦さん、垰野さん、高田さん

 個別指導型の学習塾「5―Days(ファイブ・デイズ)」などを運営する5コーポレーション(広島市南区)。広島から全国に規模を広げてきた創業者の田中良典社長(44)に、事業への思いや学生へのアドバイスを聞いた。
(聞き手は、安田女子大・吉実沙希、垰野さくら、広島文化学園大・高田真希、広島大大学院・秦莉)

 ―大学卒業後の就職先はどのように選びましたか。
 僕が大学を卒業するタイミングはバブル崩壊後の、大不況の時代で、採用自体をやめている会社が多かった。大手から内定をもらうことはできていたが、大企業に入れば人生が良くなるのか疑問だった。
 学生時代から家庭教師派遣会社で運営のアルバイトをしていて、すごく面白かった。大企業で徐々に仕事を学ぶより、初めから本質的な仕事をして自分の将来を築いていける大人になりたいと思い、そのまま就職した。
 勤めたのは1年半ほど。職場の先輩から起業を持ち掛けられ、福岡で家庭教師派遣会社を設立。その経験を生かし、2008年に広島で今の会社を始めた。

 ―「5―Days」は、個別指導と定額受け放題が特徴ですね。
 個別指導塾としては後発の後発。でも、保護者がそれまでの個別指導塾に満足していなかったから反響があったのだろう。
 定額制にしたのは、家庭教師派遣をしてきた経験から。勉強の習慣がない子たちの指導には時間が必要。毎日塾に来て、小テストの点数など小さな目標から実現してもらう。その経験から勉強が得意だと感じ、やる気が生まれてくる。そういう仕組みをつくりたいと考えた。
 でも従来のやり方では、週5回来てもらうと月謝が高額になる。家計の負担にはしたくなかった。そこで先生1人に対して生徒1、2人という形にこだわらず、生徒を6人までにすることで、コストとのバランスを取った。

 ―経営理念に「21世紀を生き抜く力を育む」と掲げていますね。
 学歴を得たからといって幸せにはなれない。実力を育みたい。そのために、まずは「思考力・判断力・表現力」のある教員を育てたい。昔、勉強したことを黒板を使って教えるだけで「先生」と呼ばれるような先生はいらなくなると思っている。正解のない答えにアプローチできる「先生」が必要だ。
 当社では実務のほか、人格形成の研修をしている。コミュニケーションについてや、社会を知ることをテーマにした研修、自分の企画やアイデアを表現して発信する―といった3年スパンの能力開発研修に取り組んでいる。
 今の時代、あまり努力しなくても入れる高校や大学はいっぱいある。でもなんとなく生きて、気付いたら30歳を超えていたという人生にしたいのか。そうじゃなくて、目標設定をして達成した経験のある人。どっちがいいか。試験や受験対策をきっかけに、そういう成功体験のある子を育てたい。

 ―学生へのアドバイスをお願いします。
 多少の失敗や、遠回りするようなことがあったとしても悲観せず、前を向いて生きる方が人生は良い方向に向かう。怖がらずにいろいろな人と出会い、時にはけんかもしてぶつかっていく姿勢を崩さないこと。それがいつの時代も全ての好循環の始まりになる。

▽たなか・よしのり 1999年、立命館大文学部を卒業し、学生時代から運営スタッフとして働いていた家庭教師派遣・個別指導塾に就職した。2001年、同僚と福岡県で家庭教師派遣会社を共同設立。08年、広島市に5―Daysを開校した。広島市東区出身。

▽5コーポレーション 2008年創業。学習塾5―Daysのほか、子ども英語教室、民間学童保育、小学生プログラミング教室を運営する。全国に計約160教室を展開。21年4月期の売上高は12億9千万円。従業員数約1100人(7月現在)。

▽インタビューを終えて

 安田女子大2年・吉実沙希(19)
 取材の事前準備の段階から、社長にインタビューできるのを楽しみにしていた。取材では、想像以上に深く聞くことができてうれしかった。「固定観念にとらわれず、新しいことに取り組む」というアドバイスを実践していきたい。

 安田女子大3年・垰野さくら(20)
 田中社長の潜在的なニーズを見つける目利き力に驚いた。やりたいと思ったことをすぐ行動に移し、さまざまな経験をしてきたからついた力だと思う。私もリスクを不安に思うより、自分がわくわくする方にためらわず飛び込みたい。

 広島文化学園大4年・高田真希(24)
 起業は、人とのつながりを大切にしてこそ成功できると感じた。「子どもたちにこの時代を生き抜く力を身に付けさせたい」という言葉。教育関係の仕事を目指す私の心に響いた。私も若いうちに多くのことに挑戦し、視野を広げたい。

 広島大大学院2年・秦莉(23)
 初めての取材で不安があったが、企業のトップにざっくばらんな質問ができた。社会的に求められる人材像などについて知ることができた。交流する機会の少ない他大学のリポーターと一緒に、取材という経験ができて面白かった。

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