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【コンクエスト(広島市西区)社長 浜中清次さん】諦めも決心 逃げずに挑戦

2021/9/22
浜中社長(左端)にインタビューする右から山下さん、上田さん、井上さん、佐藤さん

浜中社長(左端)にインタビューする右から山下さん、上田さん、井上さん、佐藤さん

 コンクエスト(広島市西区)は、輸入車のディーラーとして八つのブランドを扱っている。広島市内に14事業所を構え、グループ全体の売上高は100億円を超す。業績を発展させてきた浜中清次社長(64)に、会社を運営する上での考えや学生へのアドバイスを聞いた。
(聞き手は、広島女学院大・井上華、安田女子大・上田琴音、エリザベト音楽大・佐藤杏、広島経済大・山下掌翔)

 ―学生時代、どんなことに頑張って取り組まれましたか。
 野球漬けの日々だった。甲子園に行きたい一心で岩国市から県境を越え、強い広島商業高へ入学した。軍隊のような毎日。65年生きてきて、練習や上下関係など、これほど厳しかった時期はない。星を見ながら学校に行って星を見ながら帰った。1年生のうちは、何度も辞めようと思ったが、甲子園に行きたくて踏みとどまった。

 ―高校生活の思い出は。
 甲子園出場。1年の秋に運よくレギュラーになれ、広島県大会、中国大会と優勝し、2年生の春、甲子園に行けた。頑張って準優勝した。夏の大会は優勝。私は甲子園で13試合させてもらい、開会式に4回、閉会式に2回出た。2年生の春と夏は、沿道に何万人もの人が出てパレードで迎えていただいた。

 ―当時のどんな学びが今に生きていますか。
 高校1年の時、野球部の副部長をしていた数学の先生がいた。朝も夕も野球をしていると、授業中に眠くなるが、この先生は寝させてくれない。「毎回、必ず当てる」と言い、質問が飛んでくる。恥ずかしいから私も勉強する。「諦めて決心せえ」と言われた。社会にも通じている。人前で話す時など、緊張しても逃げられない。そんな時、自分自身に「諦めも決心」と言い聞かせる。高校時代の人間関係に助けられ、輸入車ディーラーの業界に入ったのも先輩の縁だった。

 ―会社の特徴は。
 広島では、うちが一番ブランド数を持っている。アウディ、ジャガー、フォルクスワーゲン…。いろいろな車に乗りたいお客さんに提案できる。モデルチェンジ前の末期の車が売れなくても、他のブランドの新車をアピールできる。うちは今でこそ従業員が大勢いるが、始めた時は10人ほどだった。私はいつも、個人技を磨けと社員たちに言ってきた。自分の仕事を個人個人ができないと、チームプレーは成り立たない。売り上げも伸びない。

 ―経営する上でどんなことが大変ですか。
 メカニックになりたい若者が減り、人材に困っている。だから、昨年、ベトナム人のメカニック3人を雇った。ものすごく真面目で仕事をすぐ覚える。外国人をもっと自由に雇用できるようになると、日本の学生の就職にも影響があるだろう。日本の学生は危機感を持ったほうがいい。

 ―会社の将来像は。
 30代の初めから社長を長くやってきて、65歳になったらバックアップに回ろうと決めている。売上高100億円を目標に頑張ってきて、3年前に達成した。達成感があると、人間は駄目かなという気持ちもある。だから12月で替わる。新しい社長には「愚公移山」の社訓通り、長期的な展望に立って着実に前進してほしい。守りには入ってほしくない。私自身も、先輩の指摘から社会貢献をと考え、保育園や高齢者介護の事業に取り組んだ。

 ―学生へのアドバイスをください。
 20代の間はいろいろなことにチャレンジしてほしい。でも、入ってすぐに辞めるのは駄目。3年間は我慢して頑張ってほしい。そして生き方を確立させる。30歳を過ぎたら腰を据えてほしい。それが僕の願い。

▽はまなか・せいじ 広島商業高卒。他の輸入車ディーラーなどでの勤務を経て、コンクエストを設立し独立。1991年から現職。社の事業としてサービス付き高齢者住宅を手掛けるほか、理事長を務める社会福祉法人「清摂福祉会」は保育園3園も運営する。岩国市出身。

▽コンクエスト 本社は広島市西区。1989年に設立し、輸入車の販売を3ブランドでスタート。2020年12月期の売上高は116億7900万円。従業員は145人。

▽インタビューを終えて

 広島女学院大3年・井上華(20)
 浜中社長の言葉の中に、「20代の頃はいろんな職種に最低でも3年間はチャレンジし、30歳を超えたら腰を据える」という言葉が心に残った。試行錯誤しながらキャリア形成を行い、自分に合った仕事を見つけるという、新しいキャリア観を持つことができた。

 安田女子大3年・上田琴音(20)
 個人個人がいい仕事をできないと、チームプレーにならないという浜中社長の考えを聞き、社員一人一人と向き合っているすてきな会社だなと思った。言葉一つ一つに重みがあり、目標を持つことや、自分の芯を確立することが大切だと取材を通して学んだ。

 エリザベト音楽大3年・佐藤杏(20)
 チームワークが良いことと、仲が良いことはイコールではないという言葉が参考になった。一人一人がきちんと仕事をし、行き詰まった時に支え合うという意味だと理解した。これから社会に出る私たちを照らしてくれるような言葉を聞けて、励みになった。

 広島経済大1年・山下掌翔(19)
 私自身、取材は初めての経験だった。うまくできるか不安だったが、和やかな雰囲気の中、とても良い話を聞けたと思う。浜中社長の学生時代の話や、会社経営をしていく上での考えを聞き、目標を明確に学生生活を過ごしていこうと気持ちを新たにできた。

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