リポーター発

ドイツ

農業体験 自然の恵み学ぶ   (宮武加苗)

2013/6/12

 ドイツの自然は豊かである。ドイツ人は日常生活の中で環境に配慮した生き方を目指し、有機栽培の食べ物や環境に優しい商品などを選ぶよう努めている。この国では、人と自然の距離が非常に近いのだ。

 そうした環境の中、子供たちに自然の恵みの大切さをもっと身近に体験してもらおうと、農場で合宿する学校が増えてきている。

宿泊施設と自然飼育される鶏

宿泊施設と自然飼育される鶏

家畜小屋 壁にはこれまでに訪れた小学生からのメッセージが書かれている

家畜小屋 壁にはこれまでに訪れた小学生からのメッセージが書かれている

 昨年、私の住む町にも農業が体験できる施設が誕生した。教会が寄付や地域事業の支援によって運営している。滞在を希望するすべての人に施設を提供しているようだ。特に、全国から小学生とその引率の先生を積極的に受け入れており、最大40人の宿泊が可能となっている。

 参加者は通常、1週間前後の滞在の中で、動物や植物の世話をしながら共同生活する。一帯を草原に囲まれた敷地には大きなオリエンテーション施設が建っており、農業の基礎について勉強する。隣接する家畜小屋では牛や豚、ヤギが生活し、周辺には何十羽もの鶏が自然飼育されている。産まれたばかりの子豚や子ヤギの姿もあった。

ヤギの乳搾りを体験する子供たち

ヤギの乳搾りを体験する子供たち

 滞在期間中、子供たちは実際に牛やヤギの乳搾りをしたり、鶏の卵を拾ったり、チーズやヨーグルトの作り方を教わったりするそうだ。

 他にも、野菜畑やワイン畑、屋根の上に植物を植える屋上緑化など、敷地内が緑でいっぱいだ。テントやキャンプファイアー、卓球などの遊技スペースも用意され、学びの時間以外でも仲間たちと楽しい時間を過ごせる工夫がされている。

巨大なテントや干草

巨大なテントや干草

中庭で卓球を楽しむ子供たち

中庭で卓球を楽しむ子供たち

 農場では年に数回、地域の住民を交えたお祭りがあり、有機栽培の食材を使った料理が振る舞われるそうだ。ここで収穫された新鮮な野菜や卵は、年間を通して直売店や近くのスーパーなどで購入することもできる。

 最近では、普段口にしている牛乳やチーズ、卵がどこから来たのかと聞かれ、スーパーの名前を答える子供が多いという。農場での体験学習を通して、子供たちたちは人間が自然の一部であり、地球上のすべての生き物の恩恵を受けながら生活をしていることに気づかされることだろう。
 
 自然と命の大切さを学べるこの合宿は、こどもたちにとって忘れられない経験となるはずだ。 (シュツットガルト在住)

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